愛犬の目元を見てこう感じることはありませんか?
「緑っぽい目やにが出ている」
「最近目やにの量が増えた?」
「目やにが臭い!」
犬の目やには、目や体全体の健康状態を反映しており、目やにが増えている時には注意が必要です。
今回は、犬の目やにの原因や動物病院に連れていくべき症状、取り方などを解説します。
飼い主さんは、本記事を参考にしてみて犬の目やにについてしっかりと理解し、愛犬が綺麗な目元で生活できるようにしてあげましょう。
犬の目やにが増える原因4つ
愛犬の目元をみて、普段より目やにの量が増えていたり、色や粘稠度が高い場合には目に何らかの異変がある可能性が高いです。
犬の目やにの原因は以下の4つが考えられます。
- 加齢
- 食事
- 異物による刺激
- 病気やアレルギー
それぞれについて解説していきます。
加齢
目やには、犬の加齢や老化によって体の中の老廃物が増加することで増えていきます。
加齢や老化による目やにの色は、黒色、茶色、白色であり、量は1日2回拭くほどの量であることが多いですが、この目やには正常な反応なので特に治療は必要ないです。
しかし、病気や異物などの他の原因によっても目やにがおこっている可能性もあるので飼い主さんは注意が必要です。
飼い主さんは、他の原因がないかどうかチェックしていきましょう。
食事
食事内容が体にあっていない場合、体内の老廃物が増えていくので目やにが増えていきます。
こうした場合の目やには、見た目上は正常な目やにと判断つかないことが多いですが、消化器症状など目やに以外の症状がみられることがあります。
症状としては、以下の通りです。
食事があっていない場合には、これらの症状がみられます。
もしかしたら、愛犬は何らかの食物アレルギーを持っている可能性もありますので一度動物病院で相談してみると良いでしょう。
異物による刺激
異物が眼球を刺激することにより炎症が引き起こされ目やにが増えることもあります。
異物は、埃や虫、花粉などの外部の要因も考えられますが、逆まつげや眼瞼内反症などの愛犬自体の問題の場合も考えられます。
異物による刺激で目やにが増えている場合には、目の充血が起こっていることが多いです。
飼い主さんは、愛犬の目をしっかり観察してみて、異物が入っていないか、逆まつげや瞼の形に異常がないかどうかみてあげてください。
それでも判断つかない場合は、目の病気の可能性もありますので一度動物病院を受診するようにしましょう。
病気やアレルギー
病気やアレルギーによる目やには、注意が必要です。
病気の種類によっては、治療をしないと治らない場合があります。
病気やアレルギーによる目やにの特徴としては以下の通りです。
■病気やアレルギーによる目やにの特徴
- 緑色の目やに
- 臭いニオイがする
- ネバネバで粘稠度が高い
愛犬にこうした目やにがみられた場合には、動物病院に連れていきましょう。
犬の目やにの原因でよくある病気については次章で解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
犬の目やにの原因でよくある病気
犬の目やにの原因としてよくある病気としては、以下の通りです。
■犬の目やにでよくある病気
- 角膜炎
- 結膜炎
- ブドウ膜炎
- ドライアイ
- 眼瞼内反症、逆まつげ
- 流涙症
こうした病気は、動物病院で診断、治療を行う必要があります。
当てはまる症状がないかどうかチェックしてみてください。
角膜炎
角膜炎は、目の一番表面の部分である角膜が傷ついて炎症を起こしている状態です。
進行すると、角膜の傷がどんどん深くなっていくこともあります。
目やにの他に角膜炎でみられる症状は以下の通りです。
■角膜炎の症状
- 目を気にしてこする
- 目が充血している
- 目を痛そうにして開けられない
- 目が白く濁って見える
治療としては、抗生剤の点眼を使いつつ細菌の二次感染を防いでいきます。
角膜炎を起こしやすい犬種としては、シーズー、チワワ、パグなどが考えられます。
飼い主さんは、愛犬がこれらの犬種に該当する場合には、注意しましょう。
結膜炎
結膜は、目の周りにある粘膜の部分であり、結膜炎は、この目の周りの粘膜に炎症が起こっている状態です。
アレルギー反応や目の異物などでもみられる病気であり、目やにが増える原因としても非常に多い病気です。
結膜炎でみられる症状としては、以下の通りです。
■結膜炎の症状
- 目の痒み
- 目の充血
- 涙の増加
- 目の痛み
治療としては、抗炎症薬や抗生剤が含まれている目薬を点眼していきます。
目の痒みにより、犬が目を掻くと角膜炎などの病気を併発することもあります。
愛犬に結膜炎の症状がみられた場合には、すぐに動物病院に連れていくようにしましょう。
ぶどう膜炎
ぶどう膜とは、眼球にある虹彩、毛様体、脈絡膜という部位の総称です。ぶどう膜炎はこれらの部位に炎症が起こっている状態です。
ぶどう膜炎でみられる症状は以下の通りです。
■ぶどう膜炎の症状
- 目の充血
- 目の痛み
- 目が白く濁る
ぶどう膜炎の治療は点眼薬で行いますが、使う薬は原因によって様々です。
ぶどう膜炎は自然治癒が難しく、最悪の場合失明することもあるので飼い主さんは早めに動物病院に連れていくようにしましょう。
ドライアイ
ドライアイとは、目の表面を覆っている涙の膜が蒸発してしまっていたり、涙の量が少なくなっていたりする状態のことです。
こうした涙の膜は、目を守るために必要な物質です。ドライアイになると、目を守る涙の量が減少してくるため、少しの刺激でも炎症が起こるようになっています。
目やに以外にドライアイでみられる症状は以下の通りです。
■ドライアイの症状
- 目の充血
- 目が痛い
- 目を開けずらそうにしている
ドライアイは涙の量が減少している病気であるので、涙の成分を含んだヒアルロン酸などの目薬を点眼することが治療としては考えられます。
また、自己免疫の異常によってもドライアイは起こる可能性があるので、こうした場合には、免疫を抑える点眼薬を点眼することがあります。
眼瞼内反症・逆まつげ
眼瞼内反症や逆まつげは、先天性の疾患です。
眼瞼内反症は、まぶたの部分が内側に内反しており、目を刺激してしまっている状態です。
また逆まつげは、通常外に向かって生えるはずのまつ毛が内側に向かって生えており、眼球を刺激してしまいます。
このような犬の先天性の疾患によって、眼球が刺激されてしまうと慢性的な炎症が引き起こされて目やにが出ることもあります。
飼い主さんは、目の周囲、まつ毛の部分をみてみて、眼球を刺激していないかどうかをチェックしてみてください。
なかなか自宅で確認することが難しい場合は、獣医師さんにみてもらうのが良いでしょう。
鼻涙管閉塞
鼻涙管閉塞は、涙が目から鼻に流れる道である鼻涙管が閉塞している病気です。
閉塞している原因は、涙の質がドロドロで詰まっている場合や、鼻涙管が狭くなっていたり、曲がっていたりなど構造的な問題がある場合などさまざまです。
犬が鼻涙管閉塞になると、涙がどんどん溢れ出る流涙症と呼ばれる状態になります。
涙が溢れ出るとそれが毛にこびり付き目やにの原因や涙やけの原因になることがありますので、飼い主さんは、愛犬の目をみて涙が多くないかどうかチェックしてみましょう。
目やにと涙やけの違いについては、以下の「犬の目やにと涙やけの違いは?」で解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
犬の目やにで病院に連れていくべき症状
ここまで、犬の目やにの原因と目やにを引き起こす病気について解説してきました。
飼い主さんは、犬の目やにや症状をチェックしてみて動物病院に連れていくべきかどうか判断してあげてください。
犬の目やにで病院に連れていくべき症状は以下の通りです。
■犬の目やにで病院に連れていくべき症状
- 緑色の目やに
- 粘稠度が高い目やに
- ニオイがする目やに
- 目が充血している
- 目が白く濁る
- 目の痛みや痒みがある
犬の目やには、加齢や老化などによる体の正常反応であることもありますが、緑色で粘稠度が高い目やにや、ニオイがする目やには病気の可能性があり、治療が必要です。
また、目の状態もしっかりと観察してあげて充血や濁り、痛みや痒みなどがないかどうかをチェックしましょう。
もし何か1つでも当てはまる項目がある場合は、目の病気の可能性も考えられるので、動物病院を受診することをおすすめします。
犬の目やにと涙やけの違いは?
目やには、目の炎症や涙のなかの老廃物が固まって、目頭の部分に溜まっている状態です。
それに対して、涙やけは涙が目から溢れ出すことで目の下を濡らし、毛が変色してしまっている状態です。
涙やけの原因は、以下の3つが考えられます。
・涙が過剰に産生されている
・涙の質が悪くすぐに流れていってしまう
・涙がうまく排泄されない
目やにを引き起こす結膜炎や角膜炎でも、炎症により涙が過剰に産生され涙やけが起こることがあります。
また、涙の質が悪くなるマイボーム腺機能不全と呼ばれる病気では、涙が目の表面に止まることができずすぐに流れてしまうことも考えられます。
さらに、涙やけの原因として最も多いのが鼻涙管が閉塞しており、涙がうまく排泄されないという状況です。
目やにだけでなく、涙やけも目の病気や異常のサインであることが多いので、飼い主さんは、涙やけにも注意してみていくようにしてあげるようにしましょう。
犬の目やにの取り方3選
犬の目やには、固まる前にこまめに取ってあげることが大切ですが、目やにが固くなり毛にこびりついて取ることができない場合もあります。
ここからは、犬の目やにの取り方について解説していきます。
犬の目やにの取り方としては、以下の3つが考えられます。
■犬の目やにの取り方3選
①目薬の点眼
②コットンや綿棒で取る
③ふやかして取る
それぞれについて解説していきます。
目薬の点眼
目薬の点眼は、眼球に目やにがこびりついている場合に有効です。
こうした場合にティッシュなどで、取ろうとすると眼球を傷つけてしまう恐れがあります。
そのため、目薬を使って洗い流してあげるのが良いでしょう。
目薬がない場合には、スポイトや注射器に水道水を吸って洗ってあげるのも良い手段です。
目薬を嫌がってしまう場合には、ゆっくり抱き抱えて後ろから点眼してあげると大人しく点眼させてくれることが多いです。ぜひ試してみてください。
柔らかいガーゼやコットンで取る
目頭に目やにが溜まっている場合には、柔らかいガーゼやコットンで目やにを取ってあげるようにしましょう。
この時に綿棒やティッシュなどを使ってしまうと眼球を傷つけてしまう恐れがあります。
また、ガーゼやコットンも水で濡らしてあげてから使ってあげると愛犬への負担も少なく目やにを取ることができます。
ふやかして取る
ガーゼやコットンで取れないような毛に絡みついている目やにや固まってしまっている目やにに対しては、ふやかして取る方法がおすすめです。
タオルを濡らしてレンジで30秒ほどチンすると少し温かい蒸しタオルが出来上がるのでタオルを目やにに当てて優しくほぐしていきましょう。
1分ほどすると目やにがふやけてきますので、そのタイミングでガーゼやコットンを使ってあげると良いです。
それでも取れない場合には、コームを使ってといてあげても良いでしょう。
しかし、毛が引っ張られて痛みを感じる場合や眼球を傷つけてしまう場合もあるので注意が必要です。
どうしても取れない場合には、トリミングや動物病院でとってもらうのも良いでしょう。
まとめ
犬の目やには、目の健康状態をあらわしており、病気のサインであることもあります。
今回、お伝えした動物病院に連れていくべき症状をおさらいしておきましょう。
■犬の目やにで病院に連れていくべき症状
・緑色の目やに
・粘稠度が高い目やに
・ニオイがする目やに
・目が充血している
・目が白く濁る
・目の痛みや痒みがある
飼い主さんは、目の異変に気づけるように日頃から目やにや眼球の状態を確認してあげることが大切です。
もし何らかの異常に気づいた場合は、早急に動物病院に連れていくようにしてあげてください。
また、今回紹介した目やにの取り方を参考に、愛犬の目元をこまめに拭いて綺麗にしてあげるようにしましょう。