愛犬の避妊・去勢手術を行った方が良い、しない方が良いという論争は、ずっと起こっています。
『避妊・去勢手術をやるかどうか迷う!』
『手術したら長生きする?』
『麻酔リスクが怖くて手術を判断できない…』
飼い主さんも、いろいろな情報があるため混乱することが多いでしょう。
今回は、犬の避妊や去勢手術をやらなければよかった方の理由や性格や寿命に変化があるのか、病気のリスクはどうなのかについて詳しく解説していきます。
避妊・去勢手術を行うかどうか悩んでいる人にとっては、とても有益な情報となっていますのでぜひ参考にしてみてください。
犬の避妊・去勢しなければよかった?後悔している理由は?
犬の避妊・去勢手術をしなければよかったと後悔している人の理由としては以下のようなものが挙げられます。
- 愛犬の子供を見てみたくなった
- 手術後痛そうにしていた
- 病院嫌いになった
- 肥満になる
- 尿漏れするようになった
- 手術後の合併症(腎不全、膵炎など)になった
それぞれについて解説していきます。
愛犬の子供を見てみたくなった
避妊・去勢手術を行うと子供を作ることはできなくなります。
分かりきっていることですが「犬が成長するにつれて子供を産ませてあげたらよかったな」と思う方もいます。
飼い主さんは、「将来、子供を産ませてあげたい」と思うかどうかを考えてみてもし、「産ませてあげたい!」と思う場合は、避妊・去勢手術はしない方が良いでしょう。
手術後に痛そうにしてた
手術後に痛そうにする姿をみて、「かわいそう」と感じて後悔する人もいます。
これは、仕方がないことなのですが、手術で皮膚を切開すると、いくら鎮痛剤を使っていたとしても、どうしても痛みは出てしまいます。
「愛犬の痛がる姿をみたくない」と思う方には、あまりおすすめではないかもしれないですね。
病院嫌いになった
避妊・去勢手術には、痛みを伴うので、愛犬が「病院=痛いことされる場所」と認識してしまうことは多いです。
特に柴犬さんやシェパードのような警戒心が高い子では、去勢や避妊手術をした後にトラウマになってしまって一気に動物病院を嫌いになることがあります。
病院嫌いになって、看護師さんや獣医師さんに噛みついてしまう子になる場合もあるので、注意が必要です。
肥満になる
避妊・去勢手術の後に肥満になってしまうことは多いです。
これは、今まで性ホルモンに使われていたエネルギーが使われなくなるため体の中のエネルギーが余ってしまうようになるためです。
肥満は、糖尿病や膵炎、呼吸器疾患や心臓病などのリスクになります。
避妊・去勢手術後の肥満は、飼い主さんが与える餌の量を制限したり、避妊・去勢後専用フードに変更してあげることによって防ぐことができます。
避妊・去勢を行う場合は、飼い主さんは、肥満に対してしっかりと対策することが大切です。
愛犬の肥満についてについてはこちらを参考にしてください。
尿漏れするようになった(メス犬)
メス犬でよくみられる症状ですが、避妊手術をした後に尿漏れしてしまうことがあります。
これは「ホルモン反応性尿失禁」と呼ばれており、尿漏れするタイミングとしては、睡眠中などが多いです。
この場合は、ホルモン剤を使った治療が必要になることもあります。
手術後の合併症(腎不全、膵炎など)になった
避妊・去勢手術は、全身麻酔をかけて行うため、麻酔の時間は短くても多少は臓器に負担がかかってしまいます。
特に麻酔は腎臓に負担をかけることがありますので、手術後に腎不全になることがあります。
また、麻酔をかけることにより低血圧になった場合にも手術後に膵炎を起こす可能性がありますので注意が必要です。
避妊・去勢手術の麻酔時間は30分程度なのでそこまで心配するものではないですが、絶対に起こらないとは言い切れないので心配ですよね。
寿命は伸びる?犬の避妊・去勢で防げる病気
避妊・去勢手術を行うと寿命が伸びるという明確な報告は今のところありません。
しかし、避妊・去勢手術を行うと防げる病気はたくさんあります。命に関わるような病気を予防することができるので、結果として寿命を伸ばすことにつながるでしょう。
避妊・去勢手術で予防できる病気は以下の通りです。
- 精巣腫瘍
- 肛門周囲の腫瘍
- 前立腺肥大
- 会陰ヘルニア
- 子宮蓄膿
- 乳腺腫瘍
- 卵巣腫瘍
避妊・去勢手術をすることで、多くの腫瘍をはじめとした疾患を予防することができます。
また、犬の死因で多いのは下記の通りです。
1位:腫瘍(ガン)
2位:心臓病
3位:腎不全などの泌尿器疾患
避妊・去勢をするだけで腫瘍の発生を抑えることができるため、寿命を伸ばすことができるでしょう。
(*)動物病院カルテデータをもとにした日本の犬と猫の寿命と死亡原因分析
また、この報告の中でも生殖器系の疾患で死亡した40頭を見てみると、メスが37頭に対してオスが3頭となっており、メスの死亡率が高いです。
この原因としては、高齢のメスは子宮蓄膿症を起こしやすいことが理由として考えられます。
子宮蓄膿症は、命に関わる緊急性の高い病気です。
しかし、避妊手術を行うことで子宮蓄膿症になる確率は非常に低くなります。
メス犬は子宮蓄膿症を予防するという意味合いでも避妊手術を行ってあげた方が寿命を伸ばすことにつながるでしょう。
犬の避妊・去勢手術のリスク・死亡する確率について
犬の避妊・去勢手術中に死亡する確率は非常に低いです。
全身麻酔に副作用を示す犬は1000頭に1頭の割合と言われています。
その中でも命を落とす確率はさらに低く0.05%です。
しかし、手術に絶対はないです。何かしらの疾患が隠れていた場合には、死亡のリスクも上昇してしまいます。
また、手術後も腎不全や膵炎、傷口の裂開などに注意しなくてはなりません。
中には、手術の糸に反応して体内に肉芽腫を作ってしまう場合もあります。
避妊・去勢手術後の傷口や皮膚のケアについても下記の『避妊・去勢手術後のケア』で詳しく説明しています。
さらに短頭種の場合は、鼻がぺちゃんこで鼻の穴も小さく気管の構造も曲がっていたり、脆弱していることもあるので手術後に気道閉塞を起こす可能性もあります。
短頭種であるパグ、ブルドッグ、フレンチ・ブルドックなどの犬種は気をつけてあげなければいけません。
飼い主さんは、こうした手術での副作用のリスクについても知っておいてください。
犬の避妊・去勢で性格が変化する?
犬の避妊・去勢手術をする事によって性格が変化するという明らかな報告はありません。
しかし、犬の避妊・去勢によってホルモンバランスが乱れ、性格が変化する場合も少ないですが報告されています。
例えば以下のような事例があります。
- 病院を過度に怖がるようになる
- 甘えるようになる
- 臆病な性格になる
- 攻撃性がなくなる
- マーキングなどの問題行動が改善する
- マウンティング行動が減少する
特に、オス犬のマーキングやマウンティング、攻撃行動などが改善する場合もあります。
もし、まだ1歳程度の若齢でマーキングやマウンティング、攻撃性などの問題行動を改善させたい場合には、去勢手術を行ってあげても良いかもしれません
犬の避妊・去勢手術のメリット・デメリット
ここまで、犬の避妊・去勢手術について飼い主さんが気になる点を紹介してきました。
では、まとめると、避妊・去勢手術のメリット・デメリットはどうなるのでしょうか?
犬の避妊・去勢手術のメリット・デメリットについては、以下のようなものが考えられます。
飼い主さんが、避妊・去勢手術を行うかどうかは、このようなメリット・デメリットを含めて考えてみると良いでしょう。
ここからは実際に後悔している・良かったと思っている飼い主様の感想も紹介させていただきます。ぜひ参考にしてみてください。
後悔している人の口コミ
手術後、犬の性格が変わってしまった。元々活発だったのに、急に引っ込み思案になってしまいました。
手術費用も高く、手術後のケアにも手間がかかり後悔しています。
手術前は元気だったのに、手術後から体調を崩すようになりさらに相当怖かったのか手術後聞いたこともない鳴き声を上げ続け心配する毎日で正直後悔しています。
よかったと思っている人の口コミ
手術をしたことで、犬が穏やかになりマーキングや相手を追いかける癖もなくなり飼い主にとってもワンちゃんにとってもストレスがなくなり良かったと思っています。
犬の体臭や嫌なニオイが気にならなくなった。家族全員で快適に過ごせるようになりました。
去勢手術をしてから、犬の運動量が減り、食欲も落ち着いた。健康面でもメリットを感じています。
避妊・去勢手術を行うかどうかの判断基準
避妊・去勢手術を行うかどうかは、飼い主さんの愛犬に対する価値観を基準に考えてあげましょう。
飼い主さんは、愛犬に対して以下のような思いを抱えていると思います。
『愛犬の健康を第一に考えてあげたい』
『問題行動を改善させたい』
『自然のままにしてあげたい』
『麻酔リスクがあるのは絶対にいやだ』
『痛がること、かわいそうなことはしたくない』
愛犬の健康、問題行動、麻酔リスク、かわいそうなことはしたくないなどの思いの中で、どの思いに最も共感しますか?
最も共感した価値観に従ってあげましょう。
犬の去勢・避妊手術についてしっかりと理解して後悔のない選択をするようにしてあげてください。
犬の避妊・去勢手術の時期:一般的なガイドラインと例外
避妊・去勢手術を行うかどうかの決断を下したあと、次に考えなければならないのが手術の時期です。愛犬の年齢、犬種、健康状態によって最適な手術のタイミングは変わるため、一般的なガイドラインと例外を理解することが重要です。
子犬の場合の避妊・去勢手術のタイミング
通常、子犬は6ヶ月から9ヶ月の間に性成熟するため、この時期が避妊・去勢手術の一般的なタイミングとされています。
シニア犬の場合の避妊・去勢手術のタイミング
シニア犬の場合、全体的な健康状態を考慮して手術のタイミングを決定する必要があります。
特定の犬種や健康状態で異なるタイミング
大型犬や既存の健康問題を持つ犬の場合、通常のタイミングとは異なる適切な時期があるかもしれません。
避妊手術は、発情期のストレスを軽減し、飼い主とのコミュニケーションを改善することが報告されています。適切なタイミングでの手術は、愛犬との良好な関係を維持する上で役立つと言えます。
犬の避妊・去勢手術の成功事例
犬の避妊・去勢手術は、犬の健康や行動に大きな影響を与えるため、飼い主にとって慎重な決断が必要です。しかし、手術後には、多くの場合、犬の健康や行動が改善されることがあります。以下に、犬の去勢・避妊手術の成功事例について詳しく説明します。
繁殖によるストレスやリスクの軽減
手術後には、犬の健康が改善されることがあります。
また、繁殖によって生じる子犬の飼育や責任を負わなくてもよくなるため、飼い主のストレスも軽減されます。
去勢手術後に繁殖によるストレスが減少したため攻撃的だった犬の性格が改善され他の犬や人間に対して穏やかになったという事例があります。
避妊手術を受けた犬の発情期のストレスが軽減されたことで興奮状態に陥りにくくなり、飼い主とのコミュニケーションが改善されたという報告もあります。
性格や行動の改善
繁殖によるストレスやホルモンバランスの変化によって引き起こされる性格や行動の問題を改善することができます。
去勢手術によって、攻撃性や嫉妬心、性的な行動欲求などが軽減されることがあります。
また、避妊手術によって、発情期のストレスや行動の変化が抑制されることがあります。
健康管理の簡便化
避妊・去勢手術を受けた犬は、生殖器に関する病気や症状のリスクが低下するため、健康管理が簡便になります。
例えば、乳腺腫瘍や子宮疾患などのリスクが低下するため、健康チェックの際にも獣医師が検査する範囲が狭くなります。
犬の避妊・去勢手術は、犬の健康と行動に大きな影響を与えるため、獣医師との相談や情報収集が必要ですが、手術後には、多くの場合、犬の健康や行動が改善されることがあります。
避妊・去勢手術後のケア
手術部位の清潔を維持
犬の避妊・去勢手術後、傷口周辺を清潔に保つことは、感染予防や傷口の回復を促進するために非常に重要です。以下に、傷口を清潔に保つ方法を詳しく説明します。
- 傷口周辺の毛の処理:手術後、犬の傷口周辺の毛は、傷口に細菌を持ち込んで感染を引き起こす可能性があります。そのため、定期的に毛をカットすることがおすすめされます。カットできない場合は、テープやガーゼで毛を固定することができます。
- 傷口周辺の洗浄:傷口周辺を清潔に保つため、軽く湿らせた綿棒で傷口周辺を拭いたり、清潔なガーゼで包帯を巻くことも有効です。ただし、力を入れすぎないように注意しましょう。
- 薬剤の使用:獣医師から処方された薬剤を使用することで、傷口周辺の感染予防や炎症の抑制に役立ちます。ただし、使用方法に従い、獣医師の指示をしっかりと守るようにしましょう。
- 絆創膏の使用:傷口が小さい場合は、絆創膏を使用することができます。絆創膏は傷口を保護し、細菌や汚れから守ります。ただし、傷口が大きい場合や、獣医師から禁止されている場合は使用しないようにしましょう。
犬の避妊・去勢手術後、傷口周辺の清潔な処置を怠ると、感染症や炎症を引き起こすことがあります。適切な処置を行い、獣医師の指示に従うことで、傷口の回復を促進し、犬の健康を維持することができます。
痛みの管理
手術後には、痛みを感じることがあるため、獣医師から処方された鎮痛剤や消炎剤を適切に投与します。投与量や投与期間は獣医師の指示に従います。
散歩や運動の制限
手術部位が十分に回復するまで控えることが重要です。一般的には手術後1週間から2週間程度の安静期間が必要であり、この期間中には散歩や運動を控えることが推奨されます。適切な安静期間を遵守することで、手術部位の治癒を促し、感染のリスクを軽減することができます。また、手術後は犬がストレスを感じやすく、散歩中に急激な動きやジャンプをすることは避ける必要があります。適切な安静期間を経過した後は、獣医師の指示に従い、徐々に散歩や運動を再開することが望ましいです。
食事についてのポイント
犬の避妊・去勢手術後は、手術部位が回復するまで食事にも注意が必要です。以下に、避妊・去勢手術後の犬の食事で気を付けるポイントを4つ挙げてみます。
- 食欲の低下に注意:手術後、犬は食欲が低下することがあります。適切な栄養を摂取するために、獣医師の指示に従い、少量多回の食事を心がけましょう。
- 食事の内容に注意:手術後は、犬の胃腸が敏感になっている可能性があるため、消化の良いフードを選ぶことが重要です。また、獣医師に相談し、必要に応じて低脂肪・低カロリーのフードを選ぶこともあります。
- 水分補給に注意:手術後は、水分補給を十分に行い、犬が脱水症状にならないように注意することが大切です。
手術後の食事でおすすめのドッグフードを紹介します。
人間が食べても美味しい国産手作りドッグフード【Welfoo Dog Food】
ウェルフードッグフードは運動量が減少する避妊・去勢手術後に安心な高たんぱく、低カロリーで設計されていて特に総合栄養食の中でもウェットフードは水分補給も一緒にできるのでおすすめしています。
さらにウェルフードッグフードについて詳しく知りたい方は下記記事で紹介しています。
サプリメントの必要性
犬の避妊・去勢手術後には、体力回復や健康維持のために、サプリメントの摂取がおすすめされる場合があります。以下に、犬の避妊・去勢手術後におすすめのサプリメントの種類を5つ挙げてみます。
- ビタミンB群:避妊・去勢手術後は、ビタミンB群を補給することがおすすめされます。ビタミンB群は、犬のエネルギー代謝に必要な栄養素であり、犬の健康をサポートする役割があります。
- グルコサミン・コンドロイチン:手術後、犬の関節に負担がかかることがあるため、グルコサミン・コンドロイチンのサプリメントを摂取することがおすすめされます。これらは、関節の健康維持に役立ちます。
- フィッシュオイル:フィッシュオイルには、犬の健康に必要なDHAやEPAが含まれています。フィッシュオイルをサプリメントとして摂取することで、犬の健康維持をサポートすることができます。
- プロバイオティクス:プロバイオティクスは、腸内環境を整え、免疫力を向上させる効果があります。避妊・去勢手術後の犬には、腸内環境を整えるためにプロバイオティクスのサプリメントを摂取することがおすすめされます。
- ローヤルゼリー:ローヤルゼリーには、免疫力を向上させる効果があり、犬の健康維持に役立ちます。避妊・去勢手術後の犬には、ローヤルゼリーのサプリメントを摂取することがおすすめされます。
以上のように、避妊・去勢手術後の犬には、適切なサプリメントの摂取が必要です。ただし、獣医師の指示に従い、必要なサプリメントを摂取するようにしましょう。
シャンプーや皮膚のケア
手術部位が完全に回復するまで2〜3週間程度の期間を要し、その後にシャンプーを行うことが推奨されます。手術部位が塞がっているか確認し、犬用のシャンプーを選び適切に洗い、シャンプー後は十分にすすぎ、皮膚が乾燥しないように注意しましょう。健康と快適性を確保するために、定期的なシャンプーと犬の健康管理が重要です。
手術後のシャンプーには下記のような成分が入ったものを選ぶようにしましょう。
- 敏感肌用成分:避妊・去勢手術後の犬は、肌が敏感になっている可能性があります。そのため、敏感肌用成分が含まれたシャンプーを選ぶことが重要です。
- 殺菌成分:手術部位の回復には、感染を防ぐことが必要です。そのため、殺菌成分が含まれたシャンプーを選ぶことがおすすめされます。
- 保湿成分:手術後の犬は、肌が乾燥しやすく、かゆみや炎症を引き起こすことがあります。そのため、保湿成分が含まれたシャンプーを選ぶことが重要です。
- 自然成分:犬の皮膚に負担をかける人工的な成分を避け、天然成分が含まれたシャンプーを選ぶことがおすすめされます。
手術後のシャンプーで実際おすすめしているものを紹介します。
percoシャンプーは安心の国内メーカーで企画・製造・販売までもが日本の商品です。
避妊・去勢手術後に大切な無添加処方と保湿成分配合で敏感な皮膚に潤いを与えながら、愛犬の臭いをやさしく落とすことができ、植物由来オイルのほのかな香りで飼い主様にも配慮されています。大切な愛犬の乾燥肌にも負担の少ない低刺激 アミノ酸シャンプーです。
経過観察
手術後には、犬の経過を観察し、異常がないかどうかを確認します。手術部位に赤みや腫れ、出血などがある場合には、早めに獣医師に相談します。また、手術後の定期的な健康診断や予防接種も忘れずに行いましょう。
犬の避妊・去勢手術後のケアは、犬の健康回復のために欠かせない重要な要素です。獣医師からの指示に従い、適切なケアを行い、犬の健康を守りましょう。
よくあるQ&A
ここからは、犬の避妊・去勢手術でよくある質問に対して回答していきます。
犬の避妊・去勢手術を行うかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
Q1犬の避妊・去勢手術は必ずしも必要ですか?
犬の避妊・去勢手術は、必ずしも必要ではありませんが多くの場合犬の健康や行動を改善するためには有効な手段です。手術によって繁殖を防ぐことができ不必要なストレスや健康リスクを回避することができます。
ただし、手術を行うかどうかは犬の個性や環境によって異なります。
また、手術によるリスクや合併症が懸念される場合は獣医師の判断により手術を行わないことが選択される場合があります。
飼い主は、犬の健康や行動についてよく観察し、獣医師と相談しながら適切な判断をすることが重要です。手術を行わない場合には繁殖についての対策を考える必要があります。
また手術を行わない場合でも、定期的な健康管理や予防接種などの措置を講じることが重要です。
総じて言えることは、犬の避妊・去勢手術に関しては飼い主が個々の犬に合わせた判断をすることが大切であり獣医師とのコミュニケーションや十分な情報収集が必要であるということです。
Q2避妊・去勢手術はいつまでにやる?
避妊・去勢手術は、犬の年齢が6ヶ月齢を超えると行うことができるようになります。
避妊・去勢手術をいつまでに行うかのおすすめの時期としては、オス犬とメス犬で変わってきます。
それぞれについて解説していきます。
オス犬の場合
オス犬の場合は、小さい頃からマーキングや人間への攻撃性などの問題行動がある場合には、6ヶ月齢を迎えたら早めに行ってあげましょう。
こうした問題行動は癖になってしまうことがあるため、手術により改善するならば早めに行うことがおすすめです。
特に気になる症状がない場合は、そこまで急がなくても良いでしょう。
ただ、あまりにも高齢になっている場合には、麻酔リスクも上昇しますので、シニア期(6,7歳〜)を迎える前には行ってあげたいですね。
メス犬の場合
メス犬の場合は、初回の発情を迎える前に行ってあげるのがベストです。
乳腺腫瘍の発生率は、初回の発情までに手術を行うと0.5%(200頭に1頭)と非常に低くなります。成犬になってからの乳腺腫瘍のリスクをできる限り抑えてあげたい人は、初回に発情を迎える前に避妊手術を行ってあげるようにしましょう。
大型犬の場合
小型犬では、6ヶ月齢以降では避妊・去勢手術を行うことができますが、大型犬では体が出来上げる前に早く避妊・去勢を行いすぎると関節疾患を起こしやすくなります。
大型犬に避妊・去勢を行うのは、体がきちんと出来上がっている1歳齢ぐらいで行ってあげるのが良いでしょう。
Q3犬の避妊・去勢手術の金額相場はどのくらい?保険は使える?
手術の値段は動物病院によって変わってきますが、およその費用は以下の通りになります。
犬の避妊・去勢手術は予防的に行うものなので、保険適応ではありません。
保険は使えないので、上記のように数万円は費用がかかってしまうことは覚悟しましょう。
ただし、地域によっては補助金や助成金が出ることもあります。(補助金も先着順である場合もあるので、動物病院に電話で確認しましょう。)
飼い主さんにとっても費用は、避妊・去勢手術を行うに当たって考えることですよね。
大きな出費ですが、愛犬の健康を思うのならば、行ってあげるようにしましょう。
まとめ
本記事では、犬の避妊・去勢手術についてしなければよかったと後悔している理由やリスク、防げる病気などについて解説してきました。
犬の避妊・去勢手術のメリット・デメリットをおさらいしておきましょう。
「避妊・去勢手術をやるかやらないか」どちらの判断をするにしても、メリット・デメリットをしっかりと把握しておくことが後悔をしないためには大切です。
飼い主さんは、本記事を読んで、自分がどんな価値観を重要視するか考えてください。
そして、愛犬の避妊・去勢手術に対して後悔のない選択をしてあげるようにしましょう。