基本のケア

獣医が伝授!犬の食事と栄養管理、食べさせて良いものとダメなもの

飼い主 様

「この食材って犬が食べても大丈夫?」
「愛犬にドッグフード以外の食べ物もあげたい!」
「食べて良い食材はどれで、食べてはいけないものはどれ?」

こんな疑問を抱いている飼い主さん、あなた一人じゃありません。

我々人間が普段食べる食材は、愛犬にとってもとても魅力的です。しかし、中には犬の健康に悪影響を与える食材も存在します。それらを知らずに与えてしまうと、愛犬が重篤な状態になってしまうことも……。

本記事では、獣医師が犬に食べさせて良い食材と、食べさせてはいけない食材について詳しく解説します。

獣医師 

愛犬が重篤な状態に陥る可能性のある食材は、意外と多いのです。飼い主の皆さん、是非とも愛犬が安全に食べられる食材について、しっかりと理解してくださいね。

犬が食べても良い食材

犬にとって安全で健康的な食材は数多く存在します。ここでは以下のカテゴリに分けて、それぞれの食材について解説していきます。

  1. 肉類
  2. 魚類
  3. 野菜と果物
  4. 乳製品
  5. 炭水化物

安全な肉類の選び方

肉は犬の栄養バランスを維持する上で欠かせない食材です。豊富なタンパク質とビタミン、そして必要な脂質を提供します。犬が安全に食べることができる肉類には、牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉、鹿肉、馬肉などがあります。

特に鶏肉は低脂肪で手に入れやすいため、おすすめです。

与える際は、食物アレルギーや生肉に含まれる細菌・寄生虫に注意が必要です。新たに肉を与える際は、少量から始め、アレルギー反応を確認しましょう。また、肉は必ず適切に加熱してから与えてください。

魚を犬に与える際の注意点



魚は良質なタンパク質源であり、特にオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいます。
これらの脂肪酸は、皮膚、関節、認知機能の健康を支える上で重要です。

■犬が食べてもいい魚の例

・白身魚(タラ、スズキ、タイ、ヒラメ、カレイ、サケ)
・赤身魚(マグロ・カツオ)
・青魚(イワシ・サバ)

ただし、魚を与える際には注意が必要です。骨があると窒息の原因となるため、骨は必ず取り除きましょう。また、味付けは避けてください。塩分過多は犬の健康に悪影響を与えます。

犬が食べられる野菜・果物

野菜や果物は、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含んでいます。これらは犬の健康をサポートし、消化を促進します。さらに、多くの野菜や果物は水分も提供します。

犬が食べても良い野菜・果物の例

🥕野菜🥕
・キャベツ
・にんじん
・カボチャ
・芋類
・ブロッコリー
・枝豆
・きゅうり
・とうもろこし
・トマト
・白菜
・小松菜


🍒果物🍒
・バナナ
・いちご
・スイカ
・りんご
・梨
・キウイ
・桃
・メロン
・さくらんぼ


ただし、与えすぎには注意が必要です。食物繊維やビタミン、ミネラルの過剰摂取は、便秘や下痢、尿管結石や腎臓病の悪化を引き起こす可能性があります。

獣医師 

飼い主さんは、野菜や果物を与える際には、あくまでおやつや普段の食事のトッピングとして考え与えすぎないようにしましょう。

犬のための乳製品ガイド

ヨーグルトは犬にとって健康的な食品で、特に乳酸菌が腸内環境を整える助けとなります。ただし、添加物や砂糖を含まないプレーンなタイプを選んでください。

一方、牛乳やチーズは、脂肪分や乳糖、塩分などが多く含まれています。これらは犬の消化系に負担をかけたり、栄養バランスを崩す可能性があるため、注意が必要です。

犬に与えても良い乳製品

プレーンなヨーグルトは犬に安全な乳製品の一つです。乳酸菌が豊富で、犬の腸内環境を整える助けとなります。

ただし、量には注意しましょう。適度な量を守れば、ヨーグルトは犬の健康を支える優れた食品となります。

犬に与えてはいけない乳製品

一方、牛乳やチーズは犬にとって必ずしも良い食品とは言えません。

これらの乳製品には脂肪分や乳糖、塩分などが多く含まれており、これらを大量に摂取すると犬の体に負担をかけ、健康問題を引き起こす可能性があります。

したがって、これらの食品は控えめに与えるか、できれば避けるようにしましょう。

犬に適した炭水化物の摂り方

犬も私たちと同じように炭水化物を必要としています。

米やうどん、パンなどは犬にとって美味しい食べ物で、適度な量ならば健康的な食事の一部となります。

しかし、炭水化物を過剰に摂取すると肥満や糖尿病のリスクが上がるため、量には十分に注意が必要です。

獣医師 

犬の食事に炭水化物を加えるときは、その量をしっかりコントロールし犬の体重や健康状態に合わせた食事のバランスを保つようにしましょう。

犬が食べてはいけない食材とその理由

愛犬にとって有害な食材が数多く存在します。飼い主としては、これらの食材を理解し、ペットの健康を保つためには避けるべき食材とその理由を知ることが大切です。

食材とその問題点を下記に示します。

食材 問題点
ネギ類(玉ねぎ、長ネギなど) 中毒(血尿、喘息など)
チョコレート 中毒(嘔吐、下痢、動悸、震えなど)
ぶどう 急性腎不全
甲殻類 中毒(神経症状など)
レバー ビタミンAか上昇
消化器官や歯への負担
調味料(塩分、糖分、刺激物) 腎臓、心臓への負担、糖尿病、胃腸障害
菓子類 嘔吐、下痢、急性膵炎
コーヒー、紅茶、アルコール 中毒症状(不整脈)
キシリトール 低血糖

これらの食材を愛犬が誤って食べてしまわないように、飼い主の皆さんはペットの手が届くところにこれらの食材を置かないように注意しましょう。

犬が禁止食品を食べたら動物病院へ

もし愛犬が禁止食品を食べてしまった場合、すぐに動物病院に連絡することが大切です。その際、以下の情報を伝えてください。

■獣医師に伝えるべき情報

・何を食べたか
・どのくらい食べたか
・いつ食べたか
・何か症状はあるか
・愛犬の体重、年齢、犬種

これらの情報を基に、獣医師は適切な対応策を教えてくれます。

時間が経っていなければ、催吐処置を行うこともありますが、大きなものを飲み込んだ場合や時間が経っている場合には別の対応が必要となることもあります。

動物病院への連絡方法と時間

最初に、近くの獣医師に連絡を取りましょう。連絡方法は電話が最も一般的です。
しかし、時間帯や病院によっては、電話が通じない場合もあります。その場合、緊急の対応が必要な場合は、24時間対応の動物病院に連絡すると良いでしょう。

動物病院での対応策

獣医師は犬の状態を評価した上で適切な対応策を提案します。
これには、体内に食べ物が残っている場合は催吐処置、すでに消化が進んでいる場合は特定の薬の投与などが含まれます。
また、重度の中毒症状が見られる場合は、すぐに入院治療を開始することもあります。
どの対応策も愛犬の現状と摂取した食材の種類、量に基づいて決定されます。

ドッグフード以外の食材を与える際の4つの警告

愛犬に人間の食べ物を与える際は、以下の4つの警告を心に留めておきましょう。

食べむらの原因と対策

食べむらとは、犬が一部の食事を好む一方で他の部分を避ける現象のことを指します。
これは、特定の食べ物への依存や、選り好みの結果となることが多いです。
食べむらを防ぐためには、バランスの良い食事を続け特定の食材に偏らないようにすることが重要です。

獣医師 

また、飼い主さんは愛犬が食事を全て食べ終わるまで待つことも大切です。

犬の食物アレルギーについて知っておくべきこと

犬も人間と同じように食物アレルギーを持つことがあります。アレルギーを引き起こす最も一般的な食材には、鶏肉、牛肉、魚、大豆、小麦が含まれます。

アレルギーの症状には
・皮膚の発疹
・耳感染症
・下痢
・嘔吐

などがあります。

アレルギーが疑われる場合は、獣医師に相談し、必要に応じて食物アレルギーテストを行うことが推奨されます。

与える前に!犬に適した食材の確認方法

愛犬に新しい食材を試す前には、その食材が犬にとって安全かどうかを確認することが重要です。
インターネットでリサーチを行ったり、動物栄養専門家や獣医師に相談することが有用です。
また、新しい食材を初めて与える際には、小さな量から始めて、愛犬の反応を観察しましょう。

塩分や油の過剰摂取に注意しよう

犬が過度に塩分や油を摂取すると、これらは消化不良、肥満、心臓疾患、膵炎など、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

そのため、愛犬の食事にはバランスを考え、適量の栄養素を提供することが重要です。

犬の食事管理:最も重要なポイント

犬の健康的な食事管理について考慮すべきポイントを取り上げます。

犬の食事管理は、栄養バランスの取れた食事の提供、年齢や活動量に適した食事の量の調整、肥満防止のための適切な食事と運動のバランスの維持が含まれます。

犬の食事バランスとドッグフードの役割

犬の食事には必要な栄養素が全て含まれていることが重要です。

ドッグフードは通常
・タンパク質
・脂肪
・炭水化物
・ビタミン
・ミネラル

および水分を適切な比率で提供します。

ドッグフードの選び方は、犬の年齢、サイズ、活動量、健康状態により異なります。

高品質のドッグフードは、主要なタンパク質源として具体的な肉を最初の成分としてリストしていることが一般的です。

獣医師 

人工的な色素や防腐剤は少ないほど良いとされています。

ドッグフードの選び方

適切なドッグフードを選ぶことは、犬の健康を維持するために重要なステップです。
肉類、果物、野菜など、自然な食材を含んでいるものを選びましょう。
また、ドッグフードには年齢や健康状態により最適なものがあるため、子犬、成犬、高齢犬用のフードを正しく選ぶことが必要です。

無駄の多い食材や遺伝子組み換え食材を避け、アレルギーを引き起こす可能性のある食材を含まないものを選びましょう。
常にフードパッケージの栄養表示を確認し、適切な栄養バランスが取れていることを確認します。

バランスの良い食事の例

バランスの良い食事は、全ての必要な栄養素を含む食事であり、犬の健康と活力を維持します。
バランスの良い食事は、犬にとって必要なタンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルを提供します。
高品質のドッグフードはこれらの要素をバランス良く含んでいますが、自家製の食事を与える場合は、肉類、魚、野菜、全粒穀物などを適切な比率で混ぜ合わせます。

犬の食事:年齢別の注意点

犬の成長段階によって適切な食事は異なります。

子犬、成犬、高齢犬それぞれの犬種の特性とニーズに応じた食事が必要となります。

子犬の食事

子犬は急速に成長し、その体を支えるために高いエネルギーと栄養素が必要です。
適切なタンパク質、脂肪、カルシウムを含む子犬用のドッグフードを与えることが重要です。
子犬は一日に数回、小分けに食事を与えることが望ましいです。

成犬の食事

成犬の食事は、健康維持と活力を保つためにバランスの良い栄養を必要とします。
肥満を防ぐためにも、カロリー摂取量に注意し、タンパク質、脂肪、炭水化物のバランスを保つ必要があります。一日の食事回数は一日1〜2回が一般的です。

高齢犬の食事

年を取るにつれて、犬の代謝は遅くなり、運動量も減少します。
これにより、高齢犬はカロリー摂取量を減らす必要があります。
しかし、依然としてタンパク質、ビタミン、ミネラルを十分に摂取することが重要です。
また、関節痛の予防や消化の支援を助ける栄養素を含む高齢犬専用のドッグフードを選ぶことを検討してみてください。

肥満防止のための犬の食事管理

肥満は犬の健康に様々な問題を引き起こす可能性があります。

獣医師 

心臓病、糖尿病、関節痛、そして寿命の短縮…これらはすべて肥満が引き起こす可能性のあるリスクです。

そのため、適切な食事管理と適度な運動は、犬の健康を維持する上で非常に重要となります。

適切な運動量と食事量

犬の運動量は、犬種、年齢、健康状態により異なります。
しかし、一般的には、犬が健康を維持するためには毎日の適度な運動が必要です。
運動は、適切な食事量と併せて、体重の管理に役立ちます。獣医師と相談して、犬の適切な運動量と食事量を決定しましょう。

体重管理の重要性

犬の体重を適切に管理することは、犬の健康と長寿に対して重要な役割を果たします。
肥満は犬にとって深刻な健康問題を引き起こす可能性があり、適切な食事管理と適度な運動を通じて予防することが重要です。
特に、高カロリーのおやつや人間の食事を与えすぎると、犬の体重が増加する可能性があります。
したがって、健康的な体重を維持するためには、食事量と運動量のバランスを保つことが重要となります。


特別な状況での犬の食事

犬が特別な状況にある場合、通常の食事だけでは適切な栄養を提供できないことがあります。
例えば、アレルギーを持つ犬や、病気や手術から回復中の犬などは、特別な食事が必要となります。

犬のアレルギー対応食事計画

アレルギーを持つ犬は、アレルギーを引き起こす可能性のある食材を避け、代替食材を選択することが重要です。
これはアレルギーの症状を抑え、犬の健康を維持するために必要なステップです。

アレルギー犬の食事選び

アレルギーを引き起こす可能性のある食材を特定するためには、獣医師によるアレルギーテストが推奨されます。

アレルギーテストの結果を基に、アレルギーを引き起こさない食材を含むドッグフードを選択します。さらに、新しい食材を試す場合は、一度に一つの食材を導入し、犬の反応を観察することが推奨されます。

獣医との連携方法

アレルギー犬の食事計画は、獣医師との緊密な連携により成功します。
獣医師は、犬のアレルギーに対する適切な食事計画を提案し、状況に応じて計画を調整します。
また、新しい食事計画が始まったら、犬の健康状態を定期的にチェックし、必要に応じて計画を再評価します。

病気や手術後の犬の食事管理

病気や手術後の犬の食事管理は、獣医師の指導により行われます。これらの状況では、犬の栄養ニーズが変化し、特別な食事が必要となることがあります。

手術後の食事調整

手術後の犬は、回復を促進するために特定の栄養素が必要となることがあります。
例えば、高タンパク質の食事は、体の修復と回復に役立つことが知られています。
獣医師は、犬の状況に応じて最適な食事計画を提案します。

病気別の食事指導

病気の種類により、必要な食事が異なる場合があります。
例えば、腎臓病の犬は低たんぱく食が推奨されることがあります。
一方、心臓病の犬には低塩分食が適しています。
これらの特別な食事要求は、獣医師の指導により管理され、犬の健康状態を最適に保つために調整されます。

犬の飲み物について

水は生物の生命維持に欠かせない要素であり、犬もまた例外ではありません。
しかし、我々が日常的に摂取する多くの飲み物が、犬にとっては適さないものであることを理解することも重要です。

犬が飲む水の重要性

犬の体の大部分は水で構成されており、その生命活動に必要なほとんどの化学反応は水の存在下で行われます。
これにより、血液の流れを助け、体温を調節し、老廃物を排除する役割を果たします。

水分摂取量の目安

適切な水分摂取量は犬の大きさ、年齢、活動量、気候などによって変わりますが、一般的には犬の体重1キログラムあたり50ミリリットルの水分が必要とされています。
また、食事による水分摂取も考慮に入れる必要があります。

脱水症状の見分け方

脱水状態になると、犬は元気がなくなり、食欲が落ち、最悪の場合、命に関わる状態になります。
脱水の初期症状として、口内が乾き、皮膚の弾力性が失われることがあります。
また、心拍数や呼吸数の増加、体温の上昇なども脱水の兆候となりえます。

犬に適さない飲み物

清潔な水以外の飲み物は、犬にとって害となり得ます。中でも特に危険な飲み物について見ていきましょう。

アルコールの危険性

アルコールは犬にとって極めて有害です。
アルコールを摂取した犬は、嘔吐、呼吸困難、意識の混濁、さらには死に至る可能性があります。

カフェイン含有飲料の危険性

コーヒーや一部のエナジードリンク、紅茶などのカフェインを含む飲み物は、犬にとって非常に有害です。
カフェインは中枢神経系を刺激し、摂取量によっては死に至ることもあります。
カフェインによる中毒症状には、過度の興奮状態、震え、心拍数の増加、発熱、けいれんなどがあります。

獣医師 

これらを踏まえて、愛犬の健康を保つためにも、適切な水分摂取を心掛け、安全でない飲み物の摂取を避けることが重要です。

犬のおやつ管理

犬へのおやつの与え方は、その健康と幸せに直接関係しています。
おやつは犬の日常的な食事の一部であり、トレーニングの報酬や特別な時間を作るために使用されます。
しかし、与えるおやつの種類や量は適切に管理する必要があります。
おやつを適度に与えることで、犬の健康的な体重を維持し、必要な栄養素を補給し、噛むことで歯を清潔に保つことができます。

適切なおやつの与え方

犬におやつを与えるときは

・何を与えるのか
・いつ与えるのか
・どれだけ与えるのか

これらの3つの要素を考慮することが重要です。
おやつは基本的には犬の全体の食事の一部であり、過剰に与えると犬の栄養バランスを乱す可能性があります。

おやつの量とタイミング

犬のおやつは全体の食事量の10%以内とするのが一般的です。
大量に与えすぎると、犬の栄養バランスを乱すだけでなく、肥満を引き起こす可能性があります。おやつは食事の間の空腹を満たすため、または行動の報酬として与えるのが最適です。
訓練時におやつを使う場合、小さなおやつを数多く与えるよりも、大きなおやつを1つ与えてから小さく分ける方が効果的です。

健康的なおやつの選び方

おやつを選ぶ際には、その成分に注目しましょう。
高品質なタンパク質を主成分とし、砂糖、塩分、人工的な添加物を含まないものが理想的です。

また、犬のサイズや噛む力に適した形状と大きさのものを選ぶことも大切です。
特に、歯が弱い犬や小型犬には、硬すぎるおやつは避けた方が良いでしょう。

避けるべきおやつ

すべてのおやつが犬にとって安全で健康的なわけではありません。
一部のおやつは高カロリーであったり、犬にとって有害な成分を含んでいる可能性があります。

高カロリーおやつのリスク

高カロリーのおやつは、犬の肥満のリスクを高めます。
肥満は、犬の健康に多くの問題を引き起こす可能性があります。

例えば
・関節問題
・糖尿病
・心臓病
などがあります。
そのため、おやつの選択は、犬の体重管理の一部として行うことが重要です。

人間用食品の注意点

犬にとって有害な食材を含む人間用の食品は、おやつとして与えるべきではありません。

例えば
・チョコレート
・カフェイン
・アルコール
・ブドウ
・玉ねぎ
・ニンニク

などは犬にとって毒性を持つ可能性があります。
また、砂糖や塩分が多い食品も犬にとっては健康的ではありません。
以上の点に注意して、犬にとって健康的かつ楽しいおやつ時間を提供しましょう。

特定の品種に適した食事

犬の品種によって、食事の管理が異なる場合があります。


特に小型犬と大型犬では、エネルギー需給、成長速度、健康リスクなどが異なるため、それぞれの品種に適した食事管理が必要となります。

ここでは、小型犬の食事管理について詳しく説明します。

小型犬の食事管理

小型犬は、体重が10kg以下の犬を指します。

彼らは大型犬に比べて基礎代謝が高く、1kgあたりのエネルギー需要が高いため、栄養密度の高い食事が必要です。

しかし、小型犬は一般的に体重増加しやすい傾向にあり、適切な食事管理が求められます。

エネルギー需給のバランス

小型犬は活発でエネルギーをたくさん消費しますが、過剰なエネルギー供給は肥満を招きます。適切な食事量を見極めることが重要で、これは犬の活動量、年齢、体重などにより変わります。


また、小型犬は大型犬と比較して食事の頻度が多いことが一般的です。
一日に複数回に分けて食事を提供することで、一度に大量の食事を与えることによる胃の負担を軽減できます。

小型犬特有の問題と対策

小型犬は歯周病になりやすい傾向があります。
これは、彼らの小さな口に比べて歯が大きく、食べ物が歯と歯茎の間に詰まりやすいからです。硬いドッグフードや歯磨きおやつを与えることで、歯周病のリスクを軽減できます。
また、小型犬は特定の健康問題、例えば膝蓋骨脱臼やトイレトレーニングの困難さなどに対するリスクが高いので、適切な運動と訓練、そして必要に応じた栄養サポートが必要です。

以上の点を考慮し、小型犬の食事管理について適切な対策を行いましょう。

大型犬の食事管理

大型犬は50kg以上の体重を持つ犬を指します。彼らの成長速度と大きな体格は、特定の栄養ニーズと健康問題を引き起こす可能性があります。

適切な食事管理により、これらの問題を軽減または予防することが可能です。

骨格や関節への配慮

大型犬は急速な成長と大きな体格により、骨格や関節に負担がかかりやすいです。

適切なカルシウムとリンのバランスは、健康な骨と関節の成長を促します。

獣医師 

過度なカルシウム摂取は、特に成長期の大型犬で関節疾患を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

大型犬特有の健康問題と対策

大型犬は心臓病や骨がんのリスクが高いです。
これらの問題は生活習慣や食事と関連しており、特に心臓病については塩分の適切な管理が重要です。

また、大型犬は肥満になりやすい傾向にあり、これは関節への余計な負担や糖尿病のリスクを増加させます。
適量の食事と定期的な運動を維持することで、これらのリスクを軽減することができます。

大型犬の食事管理は、彼らの特有のニーズとリスクを考慮して行うべきです。
適切な栄養供給と健康的な生活習慣を維持することで、大型犬の健康を長期的に維持することが可能となります。

愛犬の元気を支える食事のポイント

犬の健康や元気を維持するためには、その食事内容が非常に重要です。
適切な栄養素を含むバランスの良い食事は、犬の免疫力を高め、病気のリスクを減らすだけでなく、活力を保ち、長寿につながります。
犬に必要な栄養素、その栄養素が果たす役割、そしてそれらの栄養素を提供する食品について解説します。

犬に必要な栄養素とは?

健康的な犬の食事は、犬にとって必要な栄養素を適切なバランスで提供することが重要です。

 主な栄養素 
  • タンパク質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • ビタミン
  • ミネラル

タンパク質:犬の体を作る材料

タンパク質は犬の身体の構造や機能を保つ上で重要な栄養素で、肉や魚などの動物性タンパク質は犬にとって最も良質なタンパク質源です。

 たんぱく質 
  • 筋肉
  • 皮膚
  • 血液

などの体組織を作るために必要です。

また、酵素やホルモンの生成、免疫系の維持にも重要です。

必須脂肪酸:健康な皮膚や被毛を保つ

必須脂肪酸、特にオメガ-3とオメガ-6脂肪酸は、犬の皮膚と被毛の健康を維持し、脳の機能と視力を支え、炎症反応を調節するなど、多くの生物学的機能に関与しています。

これらの脂肪酸は、体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。

ビタミンとミネラルの役割

ビタミンとミネラルは、犬の健康と生命維持に必要な多くの生体反応に重要な役割を果たします。

ビタミン:身体の機能を正常に保つ

ビタミンは身体の様々な機能を正常に保つために必要で、特に免疫系の機能、視力、皮膚と被毛の健康、骨と歯の形成などに重要な役割を果たします。

また、一部のビタミンは抗酸化物質として働き、体内の酸化ストレスを軽減します。

ミネラル:骨や歯を丈夫にする

ミネラルは骨と歯の形成、神経と筋肉の機能、酵素やホルモンの活動など、身体の多くの機能において重要な役割を果たします。

カルシウムとリンは特に骨と歯の健康に重要で、これらは適切な比率で摂取する必要があります。

犬の健康に良い食物繊維と発酵食品

犬の健康にとって、食物繊維と発酵食品の役割は見逃せません。
食物繊維は消化器系の健康を保ち、適切な排便を促します。一方、発酵食品は腸内環境を整え、免疫力の向上や病気からの防御に寄与します。

これらの成分を含む食品を適切に摂取することで、愛犬の健康維持に大いに寄与することができます。

食物繊維:お腹の調子を整える

食物繊維は消化器系の健康を支え、便通を正常に保つ役割があります。

犬が食物繊維を十分に摂取すると、便の質と頻度が改善され、便秘や下痢を防ぐことができます。食物繊維は主に植物性の食品から得られ、例えば、豆類、野菜の皮、全粒穀物などに含まれています。

発酵食品:腸内環境を良好に保つ

発酵食品は犬の腸内環境を整える助けとなり、消化をスムーズにします。これらの食品には、腸内で善玉菌の働きを助ける成分が含まれているためです。

ヨーグルトはその代表例で、犬にとって良い発酵食品の一つとされています。ただし、ヨーグルトを選ぶ際は、砂糖や人工甘味料が含まれていない、無添加・無糖のものを選ぶようにしましょう。

まとめ

この記事では、愛犬の栄養と健康について詳しく説明しました。

犬に必要な主要な栄養素はタンパク質、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどです。

これらの栄養素がしっかりとバランス良く摂取されることで、愛犬の体調維持と生命維持に寄与します。

また、食物繊維と発酵食品の重要性についても触れました。これらは腸内環境を整え、免疫力の向上や病気からの防御に役立ちます。

獣医師 

愛犬の健康維持には、バランスの良い食事が不可欠です。ここで述べた各種栄養素を適切に摂取することで、犬の健康と幸せな生活を維持することが可能です。

愛犬の食事内容について不安がある場合や、特別な栄養ニーズがあると思われる場合は、専門の獣医師や栄養士に相談することをお勧めします。

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