飼い主さんの中には、愛犬の健康に対してこんな風に思う方も多いのではないでしょうか?
「愛犬にはいつまでも健康で長生きしてほしい!」
「気になる症状があるけど、大丈夫かな…」
「健康状態を把握するには、どこをチェックしたらいいか教えて!」
本記事では、犬の健康を維持するために見るべきポイントや、飼い主さんが愛犬の健康を維持するためにできることを解説します。
飼い主さんは、本記事を読むことで、犬の病気や気をつけるべき症状について詳しく理解することができます。
ぜひ、本記事を参考にして、愛犬の健康状態を毎日チェックするようにしてみてください。
【体の部位別】犬の健康状態チェックリスト
犬の体の部位ごとに見るべき健康状態のチェックリストを解説していきます。
見るべきポイントは非常に多いのですが、病気のサインであることもあるので、1つずつ注目してみてあげるようにしてください。
普段から愛犬の健康状態をチェックしてあげることは、病気の早期発見・治療につながります。
手が空いた時や愛犬と遊んでいる時、スキンシップしている時などに気をつけてチェックしていくようにしましょう。
緊急性が高いチェックリストに関しては、[要注意]として記載していますので、愛犬が当てはまる場合にはすぐに動物病院に連れていくようにしてください。
頭部・顔面
頭部や顔面については、頭部の大きさや対称性や腫れがないかどうかみてあげるようにしましょう。
以下のチェック項目に当てはまるならば、動物病院に連れていくようにしましょう。
頭部・顔面チェックポイント
✅ 頭部が大きくなっている
✅ 顔が左右非対称
✅ 頭頂部に凹みを感じる(泉門があいている)
✅ 顔が傾いている
✅ 目の下の頬が黒くなっている、膿が出ている
✅ 顔面、目の周囲などが腫れている
頭や顔面に異常があらわれる病気は、水頭症、顔面神経麻痺、前庭疾患などさまざま考えられます。
また、目の下の頬が黒くなっており、膿が出たりする場合には、歯周病が進行しており歯の根元から感染を起こしている可能性があります。
さらにワクチンアレルギーなどの副反応によっても、顔面、目の周囲が腫れていることがあります。
飼い主さんは、愛犬の顔や頭をしっかりと観察して異常がないかどうかチェックしてあげましょう。
歯
犬にとって歯の綺麗さは健康維持のために重要です。
以下のチェック項目に当てはまる場合は、歯の健康状態はあまり良くないので注意が必要です。
歯でチェックすべきポイント
✅ 乳歯が残っている(6ヶ月以上の犬)
✅ 歯石がついている
✅ 口臭がひどい
✅ 歯のぐらつきがある
✅ 歯が折れている
歯の異常として圧倒的に多いのは歯周病です。
歯周病の症状としては、口臭や食欲不振、鼻水、くしゃみなどが挙げられます。
飼い主さんは、日頃のデンタルケアによって歯周病を予防してあげましょう。
口
愛犬が口の中をしっかり見せてくれるのであれば、口の粘膜と舌の色をチェックしてあげるようにしましょう。
以下のチェック項目に当てはまる場合は、何らかの病気が隠れている可能性があります。
口でチェックすべきポイント
✅ 口内の粘膜の色が白色or黄色(通常ピンク色)[要注意]
✅ 舌の色が青紫色[要注意]
✅ 口の中が乾いている
✅ 出血している
✅ 上顎に穴があいている(口蓋裂:子犬に多い)
✅ 歯茎や口の中に出来物がある
✅ よだれが多い
✅ 口周りの腫れがある(食物アレルギー)
口に異常が認められた場合に考えられる病気は、貧血、肝疾患、脱水、酸素不足、腫瘍、歯周病、食物アレルギーなどさまざまです。
特に、口の中の歯茎などの粘膜と舌の色には注意しましょう。
口内の粘膜の色が白色の場合は、貧血をあらわしており、黄色の場合は黄疸といって、肝疾患や赤血球が体内で破壊されている可能性が考えられます。
また、舌の色が青紫色の場合は、体内で酸素が不足していることが考えられます。
これらの状態は、命を落とす可能性もあるので、早急に動物病院を受診するようにしてください。
眼
眼にあらわれる異常は、眼球自体の病気の他にも全身性の病気の影響も反映します。
以下のチェック項目に当てはまる場合は、飼い主さんは注意が必要です。
眼でチェックすべきポイント
✅ 眼球・瞳孔(黒目の部分)の大きさが左右非対称[要注意]
✅ 眼球が陥没している、突出している[要注意]
✅ 失明している[要注意]
✅ 眼球内に黒い出来物はできていないか[要注意]
✅ 斜視、充血がある
✅ 目を開けづらそうにしている
✅ 眼瞼の粘膜の色(白、黄色)
✅ 眼球内が白or赤色に濁る
✅ 涙やけがひどくなっていないか
✅ 目やにがネバネバしてたり、いつもと違う
目に異常が認められた時には、眼球自体の病気である白内障、緑内障、結膜炎、角膜炎などの他にも高血圧、脳疾患、肝臓、腎臓疾患などの疾患も考えられます。
特に注意が必要なのは、上記の[要注意]のチェックリストに当てはまる場合です。
この場合、緑内障や腫瘍が隠れている可能性があり最悪の場合、眼球摘出などを行わなければいけない可能性があります。
また、目やにや涙やけの増加も目の状態悪化をあらわしています。
目やにからわかる目の健康状態や、対処法、目の疾患については以下の記事で解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
耳
耳は、垂れ耳である犬種や耳毛が豊富なトイプードル、アレルギー体質の子にとっては、異常が現れやすい部位です。
飼い主さんは、愛犬の耳を確認してみて、以下の項目に当てはまるならば耳掃除が必要です。
耳でチェックすべきポイント
✅ 耳垢がある
✅ ニオイがある
✅ 赤く腫れている
✅ 耳を痒がる
✅ 頭をよくふる
耳の疾患を放置していると、耳道がどんどん狭くなってしまい悪化していきます。
耳掃除で綿棒を使うことは危険であり、耳道を傷つける恐れがあります。
飼い主さんは、一度獣医師さんに相談してみて、正しい耳掃除のやり方を理解してあげるようにしてください。
鼻
鼻も犬の健康状態をチェックするために非常に重要な部分です。
以下のチェックリストに当てはまるようならば注意が必要となります。
鼻のチェックリスト
✅ 鼻血が出る[要注意]
✅ 鼻が変形している[要注意]
✅ 鼻が乾いている
✅ 鼻詰まりがある
✅ くしゃみが出る
✅ 鼻水が出る
特に、「鼻血が出る」、「鼻が変形している」といった症状は、鼻腔内腫瘍を疑う症状ですので、動物病院を受診するようにしてください。
また、鼻水やくしゃみが増えた場合は、風邪を引いていることもありますので、体調の変化には十分気をつけてあげるようにしましょう。
首
気管や食道、甲状腺の異常を見つけるためにも、首、頸部をしっかりとチェックしてあげるようにしましょう。
以下のチェックリストに当てはまる場合には、一度動物病院を受診することをおすすめします。
首のチェックリスト
✅ 首元の気管を親指と人差し指でつまみ刺激すると咳が出る
✅ 首元に硬いor柔らかいしこりがある
✅ 首に手を当ててると頸動脈の拍動がよく伝わる
首のチェックでは、気管、甲状腺、心臓の病気を発見することができます。
気管を刺激してみて咳が出るならば、気管虚脱と呼ばれる病気が疑われます。
また、首元にしこりがある場合には、甲状腺癌やリンパ腫、唾液腺嚢胞といった病気も考えなければならないでしょう。
さらに、首の血管である頸動脈の拍動がよく伝わる場合には、右心不全など心臓病が隠れている可能性もあります。
首をチェックすることで、意外にも多くのことに気づけますので、自宅でもぜひ行ってみてください。
皮膚・被毛
全身の被毛のツヤや、光沢、皮膚の清潔さ、色などは健康状態を反映します。
以下のチェックリストに当てはまるならば、愛犬の健康状態に注意しましょう。
皮膚・被毛のチェックリスト
✅ 被毛のツヤがなくなった
✅ 毛が薄くなった
✅ 皮膚の赤みがある
✅ 皮膚のフケや瘡蓋が目立つ
✅ 皮膚にしこりがある
✅ 痒みがある
皮膚や被毛の症状は、加齢や老化と間違えやすく見逃しやすいです。
また、犬は多くの犬種が被毛に覆われているので、なかなか皮膚の状態を観察することは難しく、気づいた時には、真っ赤に腫れてしまうといったことも多くみられます。
飼い主さんは、毎日ブラッシングをしてあげて、全身の皮膚の状態をしっかりとチェックしてあげるようにしましょう。
胸部・呼吸
犬の胸部では、呼吸状態をしっかり観察してあげるようにしましょう。
飼い主さんは、以下の項目に当てはまっている場合は、呼吸器や循環器の疾患が隠れている場合がありますので注意しましょう。
胸部・呼吸のチェックリスト
✅ 寝ている時の呼吸回数が60回/分を超える[要注意]
✅ 常にハァハァと息をしている
✅ 咳をしている
✅ 心臓の拍動がいつもより大きく聞こえる、手で触ってもわかる
呼吸回数は、犬が呼吸する際の胸部の膨らんだ回数でみてあげるようにしましょう。
呼吸回数が寝ている時でも一分間に60回を超えるようならば、肺水腫、肺炎など命に関わる状態であることが多いので、特に注意が必要です。
飼い主さんは日頃から呼吸回数をチェックしてあげるようにしてみてください。
腹部
腹部の異常は、目で見るだけでなく実際に触ってみることで発見できることもあります。
愛犬が下記のチェックリストに当てはまるならば、注意が必要です。
腹部のチェックリスト
✅ 腹部が膨れていないか(胃捻転、胃拡張、クッシング、妊娠)
✅ 非対称性はないか
✅ お腹の中に何かないか、膀胱などパンパンではないか
✅ お腹を触って痛がらないか
✅ 乳腺にしこりはないか
✅ 出臍ではないか
✅ 何か異物はさわれないか
「お腹が膨れている」という症状は、胃捻転や子宮蓄膿症、腹水、クッシング症候群、妊娠などでみられる症状です。胃捻転や子宮蓄膿症については、緊急性がある病態なので早急に動物病院に連れていくようにしましょう。
普段から、お腹の様子を観察していないとなかなか気付けないことも多いので、毎日注意深くチェックするようにしましょう。
お尻・肛門
お尻と肛門は、犬種によっては小さくて確認できなかったり、毛に覆われていることもあるのでよく異変を見過ごしてしまう部位です。
飼い主さんは主に以下の点をチェックしてあげるようにしましょう。
お尻・肛門のチェックリスト
✅ 肛門が腫れていないか
✅ 周りの毛が汚れていないか
✅ しこりはないか
✅ 血がついていないか
✅ 肛門腺が溜まっていないか
お尻・肛門付近のトラブルでよく病院に来る病気は、肛門の出来物と肛門腺破裂、直腸脱です。
どの病気も肛門を触ると痛がったり、真っ赤に腫れていたりと明らかな異常がみられます。
お尻をみられることを嫌がる子もいると思いますが、飼い主さんは注意深くチェックしてあげるようにしてください。
爪・肉球
爪・肉球付近も見落としがちですが、必ず見ておいた方が良い部位です。
以下のチェックリストに当てはまっている場合は、爪切りや肉球のケアなどをおこあってあげる必要があります。
爪・肉球のチェックリスト
✅ 爪が伸びすぎて巻き爪になっている
✅ 肉球の皮がめくれていないか
✅ 肉球の間が腫れていないか
爪は伸びすぎていると、どこかに引っ掛けてしまい折れることがあります。
また、肉球の皮がめくれていたり、肉球の間に雑菌が入って皮膚炎を起こすこともあります。
飼い主さんは、足の先までしっかりみてあげるようにしましょう。
生殖器
メスの場合は膣、オスの場合は精巣、陰茎という生殖器もしっかり見ておきましょう。
✅ 陰部から膿が出ている
✅ 精巣が確認できない
✅ 陰茎や膣から出血している
メスの場合、陰部からの膿は子宮蓄膿症の症状として最もよく見られる症状です。
子宮蓄膿症は、重症化すると命を落とす可能性があるので、早急に動物病院に連れていき緊急手術を行う必要があります。
また、オスの場合は、成犬になっても精巣が下降していないと体内で腫瘍化することが多いです。
飼い主さんは、愛犬が6ヶ月をすぎると精巣がしっかりと降りているかどうかチェックしてあげるようにしてください。
体格・体重
愛犬の体格や体重を日頃からチェックしておくことはとても大切です。
飼い主さんは、以下のチェックリストに当てはまってないかチェックしてあげてください。
体格・体重のチェックリスト
✅ 太り過ぎや肥満である
✅ 体重が増えてるor減っている
定期的に体重を計測して増減を記録してあげるようにしましょう。
小型犬〜中型犬ならば抱き抱えて体重計に一緒に乗り、その値から人間の体重を引いてあげるとおよその体重を計測することができます。
体重が激しく減少している場合には、何か病気が隠れている可能性があります。
また、肥満は糖尿病や膵炎、心臓病、呼吸器疾患などさまざまな病気の原因となるので、飼い主さんは愛犬が肥満にならないように注意しなくてはなりません。
肥満を防止するための方法は以下の記事を参考にしてみてください。
体感温度
体を触ってみた時の体感温度も愛犬の健康状態を知るためには重要です。
チェックリストしては以下の通りです。
体感温度のチェックリスト
✅ 体がいつもより熱い
✅ 足先が冷たい
✅ 耳が熱い
体を触った時の体感温度によって、愛犬の発熱状態や血行状態を知ることができます。
体、とくに耳が熱い場合には、愛犬は、もしかしたら発熱しているのかもしれません。
また、老犬などに多いのですが、足先などが冷たいと感じる場合には、血行状態があまり良くなく足先まで血流を送ることができていない可能性があります。
あくまで主観的なものなので、異常を感じた場合には動物病院を受診するようにしましょう。
【行動・症状別】犬の健康状態チェックリスト
ここからは、犬の行動・症状別に見るべき健康状態のチェックリストを解説していきます。
飼い主さんは、愛犬の普段の行動の変化や症状からも健康状態を把握することができます。
緊急性が高い健康状態に関しては、[要注意]として記載していますので、愛犬にこれらの症状が見られた場合にはすぐに動物病院に連れていくようにしてください。
食事
食事やご飯の食べ方で飼い主さんがみるべきチェックリストは以下の通りです。
食事でのチェックリスト
✅ 食事の食べ方に異変はある
✅ 食事量が減ったor増えた
✅ 食べむらがある
食べ方に異変がある場合には、歯周病による痛みや口腔内に腫瘍ができている可能性もあります。
また、食事量の増減や食べむらも病気が隠れていることもありますので、一度動物病院に連れていくことをおすすめします。
愛犬の食事については下記を参考にしてください。
飲水
飲水量は飼い主さんが見落としがちですが、かなり重要なチェックポイントです
飼い主さんは、以下の項目に当てはまっていないかチェックしてみてください。
飲水でのチェックリスト
✅ 水を飲む量が増えている
✅ 水を飲むときにむせる
✅ 水を全く飲まない
飲水量は、隠れた病気を見つけるために非常に重要な指標です。
犬の正常な飲水量は、体重1kgあたり40~60mlです。
犬の飲水量が体重1kgあたり90mlを超えるようならば、異常なので動物病院で検査を受けた方が良いでしょう。
また、高齢犬でよくあるのですが、水を飲むときにむせるといった症状も注意が必要です。
誤嚥や喉頭、咽頭に何か病気がある可能性もありますので飼い主さんは飲み水台を使って高さを上げるなど工夫してあげてください。
排尿・尿の様子
排尿や尿の様子でも腎臓病やホルモンの疾患の有無がわかることがあります。
排尿・尿の様子のチェックリスト
✅ 12時間以上排尿していない[要注意]
✅ 何度もトイレに行っていないか
✅ 尿が濃い、薄い
✅ 尿がにおう
✅ 排尿量が多い、少ない
✅ 血尿
最も気をつけてほしいことが尿路閉塞です。
おしっこを排泄する腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかに石が詰まってしまっており、おしっこが排泄できない状態であり、かなり危険です。
また健康な犬のおしっこの量は、体重1kgあたり50ml以下であり、50mlを超えるようなら排尿量が多い、多尿であると言えます。
多尿は、飲水量の増加と同様にホルモン性の疾患や糖尿病、子宮蓄膿症などの病気のサインです。
さらに尿が薄い、透明に近いと腎臓病の可能性も考えなくてはなりません。
そのほかにも、膀胱炎などもおしっこに血が混じっていたり、何度もトイレにいく様子がみられた場合に考えます。
排尿や尿の様子からさまざまなことがわかりますので、飼い主さんはしっかりと注意深くみてあげるようにしましょう。
排便・便の様子
排便・便の様子は、腸内環境や腸の動きを判断するためにとても重要です。
排便・便の様子のチェックリスト
✅ 黒色便[要注意]
✅ 下痢していないか
✅ 便秘ではないか
✅ 何度もトイレにいく
✅ 何度も排便ポーズをする
✅ 血便
✅ うんちの回数増えている
うんちの様子では、黒色便に気をつけてください。黒色便は、消化管出血をあらわしており、胃や小腸などの出血によってみられます。
黒色便が認められた場合には、緊急性が高い状態なので動物病院を受診するようにしましょう。
そのほか、排便回数の増加や便が軟便になっている場合には、腸内環境が乱れていることがあります。
少しご飯は少なめにして、消化に優しいものをあげるようにしましょう。
嘔吐
嘔吐がいつもと比較して増えていたり、異臭がする場合には、高確率で病気が隠れています。
嘔吐でのチェックリスト
✅ 嘔吐の回数が増えている
✅ 嘔吐物が臭い
✅ 嘔吐に血が混じる
健康な子でも空腹時間が長いと嘔吐することがあります。
しかし、いつもと比較してみて、嘔吐の回数が明らかに増えたり嘔吐物から異臭がする場合、血が混じっている場合には、病気が隠れていることが多いです。
一時的な胃腸炎ならば、すぐに治ることも多いですが、腸閉塞や消化管腫瘍だと治療は大変になってきます。
早めに動物病院に連れていくことをおすすめします。
嘔吐についての記事はこちらを参考にしてください。
散歩での様子・歩き方
散歩では、歩き方や活動性を確認してあげましょう。
散歩での様子・歩き方でのチェックリスト
✅ 足をあげて歩く
✅ びっこをひく
✅ すぐに息切れする
✅ 足の筋肉の左右差がある
足をあげて歩いたり、びっこを引いている場合には、関節疾患を疑います。
犬は特に膝、股関節などの関節疾患が多いです。
また、痛がる方の足の筋肉を健康な足と比較してみて、左右差がある場合も慢性的に関節疾患がある可能性があります。
また、運動中の呼吸状態をしっかりみてあげるようにしましょう。
息切れが激しい場合や歩きたがらない場合には、呼吸器や循環器の疾患も考えなければなりません。
姿勢
普段の姿勢からもわかることがあります。
飼い主さんは愛犬が以下のような姿勢をとっていないかどうかみてあげるようにしましょう。
姿勢でのチェックリスト
✅ 腰が丸まっている
✅ 首をずっと下げたまま上を向けない
✅ 顔が傾いている
✅ 伏せの状態からお尻をあげている(祈りのポーズ)
腰が丸まっていたり、首を動かせない場合は、ヘルニアにより痛みを感じていることが多いです。
こうした場合、抱き抱えると痛みによりキャンと鳴くことが多いです。
また、顔が傾いている場合には、脳疾患や中耳炎、前庭疾患を考えなければなりません。
さらに、膵炎、胃腸炎などでお腹が痛い場合には、祈りのポーズを取ることが多いです。
飼い主さんは、愛犬の姿勢を普段からチェックするようにしてあげましょう。
意識
意識があるかどうかは、チェックするまでもなく、飼い主さんは気づいてくれると思います。
以下の症状が認められた場合には、必ず動物病院に連れていくようにしましょう。
意識でのチェックリスト
✅ 痙攣や発作が起こっている[要注意]
✅ ぐったりしており、意識がない[要注意]
低血糖や脳疾患、肝臓病、腎臓病などのさまざまな疾患で意識障害は認められます。
どれも緊急性の高い病態なので、すぐに動物病院に連れて行ってください。
以下の記事で、痙攣について詳しく紹介していますのでこちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
飼い主さんが犬の健康を維持する方法5選
前章までは、愛犬の健康を維持するためにみるべきチェックリストについて解説してきました。
飼い主さんは、普段から愛犬の様子を観察すると同時に病気を予防し健康を維持していく必要があります。
ここからは、飼い主さんが犬の健康を維持する方法5つについて解説していきます。
~犬の健康を維持する方法5選~
- 食事管理
- 運動
- 生活環境の改善
- 健康診断・予防接種・避妊去勢
- デンタルケア
それぞれについて詳しくみていきましょう。
①食事管理
愛犬の健康維持をするためには、食事管理が非常に重要です。
与える食事も愛犬の年齢や活動性、抱えているトラブルに合わせて内容を考えなければなりません。
食事に関しては以下のことに気をつけるようにしましょう。
犬は、肉食動物であるオオカミを祖先に持つ動物なので、肉類、魚類などの良質なタンパク質を使ったドッグフードを選んであげるようにしましょう。
また、肥満を避けるために、低カロリー、低脂肪の食事を心がけ、おやつも控えてあげるようにしましょう。
さらにω3脂肪酸と呼ばれる脂肪酸は、体の中の炎症を抑え、アンチエイジングに効果を発揮します。
飼い主さんは、愛犬に上記の項目に当てはまり、愛犬が美味しく食べてくれる食事を選んであげるようにしましょう。
以下の記事で、食事や肥満について詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
②運動
運動は、愛犬の健康を維持する上で非常に重要です。
定期的な散歩を行うことで、愛犬の筋力維持や肥満予防、腸内環境を整えることができます。
また、公園やドッグランで思いっきり走らせてあげることで、ストレス解消にも繋がります。
小型犬ならば1日2回、朝と夕方に20分間ほど散歩に連れていくようにしましょう。
大型犬ならば、1回あたり、30分ほど散歩させてください。
シニア期に入ってくると、散歩に行きたがらない、歩きたがらない時には、無理をしなくても良いのですが、外の空気を吸わせてあげたり、いろいろな刺激を与えたりすることは、認知症やアンチエイジングの効果もあります。
飼い主さんは、できる限り愛犬を外に連れ出して運動させるようにしましょう。
③生活環境の改善
生活環境により、愛犬が怪我をしたり、病気になったりすることもよくあります。
愛犬にあった生活環境とは以下のようなものが考えられます。
飛び降りたら怪我をするような高さに昇らせないようにする
滑って怪我しないようにマットをひくor足の裏の毛を刈ってあげる
ゴミ箱を漁らないように蓋つきのものに変える
愛犬が誤飲しやすいものはおかないようにする
キッチンや食卓など犬が食べてはいけないものが多いところには入れないようにする
食べてはいけない食べ物、植物などをしっかり理解して置かないようにする
階段から落下しないように柵をつける
他にも愛犬の性格、行動などによって飼い主さんが対策できるものはたくさんあります。
飼い主さんは、しっかりと生活環境を整えてあげるようにしてください。
④健康診断・予防接種・避妊去勢
定期的な健康診断や病気を予防するためのワクチン接種、フィラリア、ノミ、ダニ予防は、愛犬の健康を維持するために大切です。
定期的に健康診断を受けることは病気の早期発見・治療につながるので、愛犬の健康寿命を伸ばすことができます。
また、ワクチン、フィラリア、ノミ、ダニの予防は必ず行うようにしましょう。
フィラリア症などかかる病気によっては、命を落とすこともあります。
1年に1回は必ず定期的な健康診断を行うようにして、シニア期を迎えた6〜7歳以降は、1年に2回ほど健康診断を受けるようにしてあげてください。
さらに、必要であれば避妊去勢の手術を行うようにしてあげてください。
避妊去勢により防げる病気はたくさんあります。
飼い主さんによっては、「かわいそう」と思う方も多いですが、病気になる確率は上昇し、性ホルモンの乱れや発情によるストレスもかかります。
子供を産ませることを考えていないのであれば、避妊去勢手術を考えてあげるようにしましょう。
⑤デンタルケア
歯の項目でも解説しましたが、愛犬の健康を維持するためには、歯が健康であることは重要です。
歯周病は、口腔内細菌を増やしてしまう原因となり、肝臓病や心臓病の原因になることが知られています。
また、歯の根元がとけて感染を起こすと、鼻水、くしゃみなどの原因にもなります。
飼い主さんは、しっかりとデンタルケアを行い、歯の健康を保ってあげるようにしましょう。
歯のデンタルケアについては、以下の記事で解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
本記事では、愛犬の健康のためにみるべきチェックポイントと健康を維持する方法5選について解説してきました。
飼い主さんは、上記のチェック項目と以下の健康維持の方法を日頃から意識してあげましょう。
~犬の健康を維持する方法5選~
- 食事管理
- 運動
- 生活環境の改善
- 健康診断・予防接種・避妊去勢
- デンタルケア
飼い主さんが愛犬の健康を維持するためにできることはたくさんあります。
本記事の内容を実践して、愛犬との楽しく健康的な生活を続けていけるようにしてあげましょう。