「愛犬の口臭がくさい!」
「可愛いけど、あんまり舐めてほしくないな・・」
「口臭の原因ってなに?」
愛犬の口臭に悩む飼い主さんは、こんなふうに思うことも多いのではないでしょうか?
口のニオイをどうにかして改善してあげたいですよね。
本記事では、犬の口臭の原因と考えられる病気、対処法、デンタルケアの方法などを解説していきます。
飼い主さんは、本記事を読んで愛犬の口臭にあった対処法とデンタルケアを行うようにしてあげてください。
犬の口臭の主な原因5つとそれぞれの対処法
犬の口臭の原因は以下の5つです。
- 【歯石が原因】歯石とりやデンタルケアを行う
- 食事【食べカスのニオイ】
- 食糞【うんちのニオイ】
- 乾燥【生臭い】
- 病気【アンモニア臭・甘いニオイ・腐卵臭】
それぞれの原因で発生するニオイと対処法を含めて解説していきます。
【歯石が原因】歯石とりやデンタルケアを行う
犬の口臭の原因で最も多いのは、歯石です。
ニオイとしては、腐敗臭(腐った卵、ドブ、魚くさい)が匂うことが多いです。
犬の歯石は、人間の約5倍の速さで形成されていき、食べカスが歯についてからおよそ2~3日で固まり歯石になると言われています。
また、犬は人間よりも10本ほど歯が多いのにもかかわらず、口は小さいので汚れが排出されず歯石ができやすいです。
歯石が原因の口臭に対しては、以下の治療法が考えられます。
歯石形成が進行し、カチカチになっている場合はなかなか除去することは難しいです。
飼い主さんは、動物病院で歯石とりを行ったり、歯石を形成し歯に定着する前に歯石を除去してあげるようにしましょう。
デンタルケアについては、以下の「犬の口臭を予防するデンタルケアの方法3選」の章で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【食事が原因】食事内容を見直す・食後のケア
犬の口臭の原因が食事であることも多いです。
ニオイとしては、食べカスのニオイが匂うことが多いです。
愛犬の口臭が食事が原因の場合には、以下のような状態が考えられます。
口臭の原因で食事を疑う場合には、粗悪なタンパク質を最近食べていないかどうかをチェックしましょう。
過度に脂肪分が多いおやつや加工肉、人間の食事などが該当します。
また、消化器に負担がかかるような高脂肪や穀物が多い食事を与えている場合も、うまく消化吸収できないため口臭が悪化する原因になります。
さらに、ペットフードの劣化も口臭が発生する原因になります。
ペットフードの保存方法としては、密閉できる容器に入れて冷暗所で保存するようにしてあげましょう。そして、できれば2週間以内、必ず1ヶ月以内には食べ切れるようにしてあげてください。
食事が原因の口臭に対しては、以下の対処法が考えられます。
食事が原因の口臭の場合には、ドッグフードを歯石がつきづらいデンタルケアのフードや消化に負担がかからないフード、良質なタンパク質が使われているフードを与えるようにしてあげましょう。
また、食後には、水を飲ませてあげることや歯磨きなどのデンタルケアを行い食べカスを除去するようにしてください。
【食糞が原因】食糞防止のしつけや対策を行う
犬の口臭の原因として、食糞が原因の場合が考えられます。
食糞による口臭の場合は、口から便臭がすることが多いです。
食糞の原因としては、子犬の頃からの癖や過度な空腹、飼い主さんの気を引きたい、好奇心などさまざま考えられます。
飼い主さんは食糞を防ぐためにしつけや以下のような対策を行ってあげるようにしましょう。
■食糞防止のしつけや対策のポイント
・うんちを口にする状況を減らす(排便したらすぐに除去する)
・食糞しても過剰に反応しない
・排便リズムを整えて散歩中に排便させるようにする
・排便後はおやつなどでその場を離れるように誘導する
排便後のうんちを食べないようにするために、こまめな掃除と排便リズムを整えてあげてください。
また、過剰に反応すると犬が面白がって食糞がひどくなることもあります。食糞しても過剰に反応せずに冷静に対処しましょう。
さらに、普段から、排便後にはおやつなどでうんちから離れるように誘導するしつけを行ってあげてください。
飼い主さんは、犬がうんちから離れた隙にうんちを処理してあげるようにしましょう。
【乾燥が原因】水分補給や適度な運動を行う
口の中の粘膜が乾燥していることにより、口臭がひどくなることもあります。
乾燥が原因の口臭は特に老犬に多く、生臭いニオイを放ちます。
老犬は、体の中の水分が不足していることも多く、脱水状態により口の中が乾燥していることがあります。
口の中の唾液には、口腔内の悪玉菌の増殖を防ぐ効果があるのですが、唾液がなかなか分泌されず乾燥している場合には、悪玉菌が繁殖し口臭が匂うことが多いです。
乾燥が原因の場合に飼い主さんができる対処法としては、水分補給や適度な運動を行ってあげるようにしましょう。
水分補給や、運動で代謝をあげ飲水量を増やすことで体の中の脱水を改善させることができます。
水分補給の方法としては、以下のようなものが考えられます。
なかなか、水を飲んでくれない子には、水分量の多い食事を心がけて与えていき、水分摂取量が少しでも多くなるようにしてあげましょう。
【病気が原因】動物病院に連れていく
口臭の原因が病気である場合もあり、アンモニア臭、甘いニオイ、酸っぱいニオイなどさまざまなニオイがすることがあります。
特にアンモニア臭の場合は、腎臓の疾患の可能性、甘いニオイの場合には、糖尿病。酸っぱいニオイの場合は、胃腸炎などの消化器疾患の可能性が考えられます。
こうした口臭が匂ってくる場合には、何かしらの症状がある場合がほとんどです。
元気や食欲の低下、嘔吐、下痢などの症状がないかどうかチェックしてみるようにしてください。
そして、もし愛犬の口臭から病気を疑うような異臭がした場合には、一度動物病院に連れて行って相談した方が良いでしょう。
犬の口臭の原因となる病気と症状
前章では、犬の口臭の原因として、病気も考えられるとお話ししてきましたが、実際のところどのような病気が考えられるのでしょうか?
犬の口臭の原因となる病気としては、以下のようなものが考えられます。
- 歯周病
- 胃腸炎
- 腎疾患
- 糖尿病
- 口腔内腫瘍
それぞれについて解説していきます。
歯周病
歯石の付着が進行し、口腔内の細菌が繁殖すると、歯周病になりやすくなります。
成犬の中の80~90%の犬は、歯周病になっていると報告されているほどです。
犬に歯周病が多い原因としては、人間と比較して、歯石形成のスピードの速さ、歯の多さ、口の小ささ、唾液の性状などが違うことが複雑に絡み合っていることが考えられます。
歯周病の症状としては、口臭の他にも以下のようなものがみられます。
歯周病は、進行すると目の下や頬の部分に穴があき、膿が排出されたり、口腔内細菌により心臓病、肝臓病、腎臓病などに進行したりすることもあります。
動物病院での歯石とりや自宅でのデンタルケアで予防・改善できる病気なので、飼い主さんは、「犬の口臭を予防するデンタルケアの方法3選」の章を確認したり、動物病院で歯石とりを行うかどうか獣医師と相談してみるようにしましょう。
胃腸炎
胃腸炎になると、消化管の動きが低下し胃酸の分泌量が増えるため口の中から酸っぱいニオイがすることがあります。
こうした場合には、食欲不振、嘔吐、下痢、元気がないなどの体調不良がみられます。
胃腸炎は、普段の生活からも予防することができる病気です。
飼い主さんは、以下の点に注意してあげるようにしましょう。
- 人間の食事は与えない
- 脂肪が多く含まれている食事は与えない
- 拾い食いや誤飲誤食に注意する
人間の食事や脂肪が多く含まれている食事は、消化吸収に負担をかけてしまうため胃腸炎の原因になることがあります。
また、拾い食いや誤飲誤食などにより犬にとって有害な物質を摂取した時にも胃腸炎をはじめとしてさまざまな不調がみられることがあるので注意しましょう。
腎疾患
腎臓は体内の毒素、老廃物を排出するために重要な臓器です。
腎疾患になると、体内から排出されるはずの毒素、老廃物が体の中に蓄積し口臭からアンモニア臭がします。
腎疾患の犬では、以下のような症状がみられることが多いです。
腎疾患の症状
- 飲水量が増える
- 排尿量が増える
- 食欲不振
- 体重減少
- 嘔吐
飼い主さんは、口臭からアンモニア臭がした場合には、症状を確認し動物病院に早急に連れていくようにしてください。
糖尿病
愛犬の口臭から甘い匂いがした場合には、糖尿病に気をつけるようにしましょう。
愛犬が糖尿病になり、病気が進行すると体の中でケトン体(アセトン)と呼ばれる物資が生成されるようになり、この物資が口から出てくることにより甘い匂いがするようになります。
糖尿病の症状としては、以下のようなものが考えられます。
糖尿病の症状
- 飲水量が増える
- 排尿量が増える
- 嘔吐
- 体重減少
犬の糖尿病は、人間と同様に生活習慣病です。
人間の食事を与えていたり、運動を全く行っていなかったりする場合に認められる場合があります。
飼い主さんは、愛犬が糖尿病にならないようにしっかりと規則正しい生活と適正な食事を愛犬に提供してあげるようにしましょう。
口腔内腫瘍
愛犬の口臭から腐卵臭がする場合には、歯石の他にも口腔内の腫瘍の可能性も考えなくてはいけません。
犬の口腔内の腫瘍は、悪性黒色腫、扁平上皮癌、繊維肉腫など比較的に悪性が高い場合が多いです。
症状としては以下のようなものがみられるようになります。
口腔内腫瘍の症状
- ご飯が食べづらそう
- よだれが増えた
- 口から出血している
- 体重減少
飼い主さんは、愛犬の口の中を詳しくみてみると、腫瘍などの出来物を発見することができるかもしれません。
犬の口臭から腐卵臭がする場合には、口腔内腫瘍の可能性も考えて口の中をしっかりとチェックするようにしてください。
犬の口臭を予防するデンタルケアの方法3選
ここまでは、犬の口臭を予防するために飼い主さんができるデンタルケアについて解説していきます。
飼い主さんができるデンタルケアは以下の3つです。
デンタルケアの方法3選
- 歯磨きブラシ・シートを毎日行う
- デンタルガムを与える
- デンタルケア専用の食事・サプリを使う
それぞれについて詳しく解説していきます。
歯磨きブラシ・シートを毎日行う
食後には、歯磨きブラシや歯磨きシートを用いて歯垢や食べカスを除去してあげるようにしましょう。
歯垢や食べカスは、犬の場合2〜3日で歯石に変わっていきます。そのため、食後に食べカスや歯垢を残さないように除去してあげることが大切です。
いきなり歯磨きを行うと嫌がる子もいますので、小さい頃から習慣化したり、口に触ることから徐々に始めていったりするようにしましょう。
また、初心者の方には、歯磨きをブラシで行うよりもシートを使ってあげた方が簡単です。
最初は、歯磨きシートを用いてデンタルケアを行い、慣れてきたら歯磨きブラシで歯の健康を維持できるようにしましょう。
デンタルガムを与える
デンタルガムも歯磨きブラシや歯磨きシートほどではないですが、歯垢を落とすことができます。
歯磨きブラシ・シートにまだ抵抗を覚える子におすすめです。
デンタルガムは、噛むことによって唾液の分泌量も増えるので口臭を抑制することができます。
ただ、愛犬の口にあったサイズを与えないとなかなか噛むことができずに飽きることもあるので、飼い主さんがデンタルガムを選ぶ際には愛犬の体格や年齢などに応じたサイズを選んであげるようにしましょう。
デンタルケア専用の食事・サプリを与える
愛犬が歯磨きや口を触られることを嫌がる場合には、デンタルケア専用の食事・サプリを与えてあげるようにしましょう。
デンタルケア専用のドッグフードは、犬がご飯を食べながらも思考を取り除くことができます。また、サプリメントも口腔内の悪玉菌を抑える効果があるものもあるので普段の食事に加えてあげると良いでしょう。
しかし、理想は、歯磨きブラシで人間と同じように歯磨きをしてあげることです。
飼い主さんは、こうした食事・サプリを試しつつ、歯磨きができるようにがんばりましょう。
まとめ
本記事では、犬の口臭の原因と対処法、デンタルケアの方法などを解説してきました。
愛犬の口臭を抑えるためには、普段の生活におけるデンタルケアも大切です。
ポイントをおさらいしておきましょう。
■デンタルケアの方法3選
- 歯磨きブラシ・シートを毎日行う
- デンタルガムを与える
- デンタルケア専用の食事・サプリを使う
飼い主さんは、本記事で紹介したデンタルケア方法を参考にしてみて、ぜひ愛犬の歯の健康を守ってあげてください。