「愛犬が吐いている」
「なんで吐いたんだろう?嘔吐の原因は?」
「病院に連れていくべき?」
嘔吐をしている愛犬を見ると、飼い主さんはこんな風に思うこともあるでしょう。
愛犬の嘔吐を見ると、何か体調不良があるのかどうか心配になりますよね。
本記事では、犬の嘔吐の原因と対処法、病院に連れていくべき基準について解説していきます。
嘔吐の色や性状からわかることはたくさんあります。飼い主さん本記事を参考にして犬の嘔吐に正しく対処できるようにしましょう!
犬は嘔吐しやすい!平均的な回数は?
犬は、人間よりも嘔吐しやすい動物です。
これは、犬が人間とちがって4足歩行であり消化管が地面に対して水平であることや、消化管の長さが短いことなどが考えられますが明らかな原因はわかっていません。
犬の嘔吐の平均的な回数は、個体差があり一概には言えません。
全く嘔吐しない犬もいれば、週に1回ほど嘔吐する犬もいます。
週に2〜3回以上嘔吐するならば、病気や食事があっていない可能性も考えられますので、もし気になる場合は動物病院に相談するようにしてください。
犬の嘔吐の原因5つ!嘔吐物の色や匂いをチェック!
ここからは、犬の嘔吐の原因について解説していきます。
犬の嘔吐の原因は以下の通りです。
■犬の嘔吐の原因5つと特徴
- 生理現象による嘔吐【無色透明・泡状】
- 空腹による嘔吐【黄色の液体】
- 早食い・悪心による嘔吐【未消化物・草】
- 異物による嘔吐【異物混じりの嘔吐・便臭】
- 病気による嘔吐【頻回嘔吐・血まじり】
また、嘔吐の色や性状、含有物などによっても原因を判別することができる場合がありますので合わせて解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
生理現象による嘔吐【無色透明・泡状】
犬は、嘔吐しやすい動物であり、生理現象として嘔吐することがあります。
生理現象の嘔吐は、胃酸分泌が過剰に起こり起こっているとされていますが、明確な理由はわかっていません。
生理現象による嘔吐の特徴としては、「無色透明・白色で泡状の嘔吐」がみられることが多いのでチェックしてみてください。
空腹による嘔吐【黄色の液体】
犬は、空腹によっても嘔吐する動物です。
空腹時間が続くと胆嚢から胆汁が逆流して、嘔吐してしまいます。
これを「胆汁嘔吐症候群」と呼び、黄色の液体が認められることが多いです。
空腹による嘔吐の特徴としては、以下のような特徴が考えられます。
■空腹時の嘔吐の特徴
- 黄色っぽい液体を嘔吐
- 明け方や夕方など食事の時間が空いてしまう時間帯に嘔吐する
- 犬の状態としては元気いっぱい
対策としては、空腹時間を短くなるようにコントロールしてあげることが大切です。
いつものご飯の総量は変えずに回数を増やしてあげましょう。
胆汁嘔吐症候群による嘔吐では、犬の健康状態が悪化することは考えづらいので、特に動物病院に連れていかなくても大丈夫です。
しかし、元気がなかったり、嘔吐の回数が増えてくるようならば早めに動物病院に連れていくようにしてください。
早食い・悪心による嘔吐【未消化物・草】
早食いによる嘔吐の場合は、食べ物を早食いすることによって胃が急激に膨らみ、嘔吐してしまいます。
嘔吐物は、茶色のドッグフードの未消化物などがみられることが多いです。
対処法としては、一度にたくさんのフードを与えず、少量頻回でご飯を与えてあげるようにしましょう。早食い防止のお皿に変更するのもおすすめです。
また、悪心や気持ち悪さ、胃のむかつきを感じて嘔吐している場合があります。犬が悪心を感じている時には、散歩中に草を食べるような仕草が認められることがあります。
草を食べる行為によって、「胸焼けを解消する」、「嘔吐を誘発する」、「食物繊維をとる」などさまざまな説が考えられていますが、明確な理由はわかっていません。
犬が草を頻繁に食べていると、気持ち悪さを感じているのかもしれないので、しっかり愛犬の様子をチェックしてあげるようにしてください。
異物による嘔吐【異物まじりの嘔吐・便臭】
異物の誤食は犬の嘔吐の原因で、非常に多く、よく認められます。
異物による嘔吐では、毛玉やプラスチック、犬が食べてはいけない食材などが嘔吐物として吐き出される場合があります。
また、異物が胃腸に詰まっている場合には、消化物の腐敗により嘔吐から便のニオイがすることもありますので飼い主さんは、チェックしてみてください。
病気による嘔吐【頻回嘔吐・血混じり】
病気による嘔吐には、最も気をつけてあげなければいけません。
嘔吐を引き起こす病気は非常に多いです。
嘔吐を引き起こす病気の代表例については、「犬の嘔吐で考えられる疾患の代表例」の章で解説しています。
■病気による嘔吐の特徴
・いつもより嘔吐の回数が多くなる
・下痢や食欲不振などの症状も出てくる
などの症状が見られることがあります。
また、嘔吐物の中に血が混じっている場合には、消化管出血や胃の腫瘍などの可能性もあるので注意しましょう。
上記のような嘔吐が認められた場合には、病院に連れていくようにしましょう。
その他の病院に連れていくべきかの基準については、次の章で解説していきます。
動物病院に連れていくべき嘔吐と様子をみて良い嘔吐
飼い主さんは、犬が嘔吐している時動物病院に連れていくべきかどうか迷うこともありますよね。
動物病院に連れていくべき嘔吐の特徴は以下の通りです。
■動物病院に連れていくべき嘔吐でみられる症状
- 1日に3回以上嘔吐する
- 2日連続で嘔吐する
- 下痢もしている
- 元気がない
- 食欲がない
- 嘔吐物に異物がある
- 嘔吐物から便臭がする
- 血混じりの嘔吐
- 吐けそうで吐けない、えづき
基本的に、異物、病気による嘔吐を疑う場合には、動物病院を受診するようにしましょう。
嘔吐の回数が増えている場合や、下痢、食欲不振などの他の症状がある場合は注意が必要です。
犬の嘔吐を引き起こす原因疾患にもよりますが、緊急性のある疾患もあります。
飼い主さんは、愛犬に上記のような症状を認めた場合には、なるべく早めに動物病院を受診するようにしましょう。
犬の嘔吐で様子をみても良い場合
犬の嘔吐は、健康的な子でも認められることがあります。
その他の生理現象、空腹、早食いなどによる嘔吐の場合は、健康な子でも嘔吐が認められますので、特に動物病院に連れていかなくても心配もないでしょう。
愛犬も元気いっぱいでご飯を出したらすぐに食べてくれそうな食欲もあることが多いです。
飼い主さんは、嘔吐の状態と愛犬の状態を確認して動物病院を受診するかどうか判断してあげてください。犬の嘔吐で考えられる病気
犬の嘔吐で考えられる病気は多々あります。しかし、その中でも特によく認められる病気とより緊急性の高い病気について紹介していきます。
■犬の嘔吐で考えられる病気の代表例
- 腸閉塞
- 中毒
- 子宮蓄膿症
- 膵炎
- 胃腸炎
- 腎不全
この中で、腸閉塞、中毒、子宮蓄膿症は、命を落とす可能性があり、緊急性の高い疾患です。
嘔吐の回数も増えたり、愛犬の体調に何らかの異常が認められることがほとんどです。
飼い主さんは、こういった疾患を見逃さないようにしておきましょう。
他にも、膵炎、胃腸炎、腎不全などが嘔吐を引き起こす疾患として来院することが非常に多いです。
重症の場合には、入院も必要になります。
飼い主さんは、上記の動物病院に連れていくべき嘔吐を参考に受診を判断していきましょう。
犬の嘔吐で飼い主さんができる対処法3選
犬の嘔吐で飼い主さんができる対処法は以下の3つが考えらます。
■犬の嘔吐の対処法3選
- すぐに飲食させない
- 嘔吐後時間が経ってから消化の良い食事を与える
- 心配な場合は動物病院に連れていく
それぞれについて詳しく解説していきます。
すぐに飲食させない
嘔吐してすぐは、胃がむかついていたり、胃酸が過剰に分泌していたりする場合も考えられ、飲食するとさらに嘔吐してしまう可能性があります。
特に、嘔吐した後にすぐに水を飲ませようとする飼い主さんもいますが、逆効果です。
し、もし病気による嘔吐の場合は再度嘔吐を助長し、愛犬にしんどい思いをさせてしまいます。
嘔吐がみられてから30~1時間は時間をあけてから飲食させてあげるようにしましょう。
嘔吐後時間が経ってから消化の良い食事を与える
嘔吐後30~1時間を経過して、愛犬の状態も特に異常がないようであれば、少量の消化の良い食事から飲食をスタートしてあげましょう。
普段の食事でドライフードを与えている飼い主さんは、お湯を注いでふやかしドッグフードを作ってあげたり、ウェットフードを試してあげても良いです。
愛犬には、なるべく消化の良い食事を与えるように心がけましょう。
それでも吐いてしまう場合には、動物病院を受診することをおすすめします。
心配な場合は連れていく
愛犬が元気そうでも飼い主さんが心配ならば、動物病院を受診するようにしてください。
定期的な健康診断にもなりますし、何よりも飼い主さんの安心感にも繋がります。
もし、病気があった場合には、早期発見にも繋がりますし、愛犬の健康の維持にもなります。
飼い主さんは、心配ならば動物病院を受診しましょう。
まとめ
本記事では、犬の嘔吐について原因や対処法、病院に連れていくべき嘔吐について解説してきました。
犬の嘔吐は、生理的によく認められ、健康な子でも定期的に嘔吐することが多いです。
しかし、病気によって嘔吐している場合もあり、愛犬の体に命を落とすような危険な病気が潜んでいる可能性もあります。
飼い主さんは、今回紹介した病院に連れていくべき嘔吐をおさらいしておきましょう。
■動物病院に連れていくべき嘔吐でみられる症状
- 1日に3回以上嘔吐する
- 2日連続で嘔吐する
- 下痢もしている
- 元気がない
- 食欲がない
- 嘔吐物に異物がある
- 嘔吐物から便臭がする
- 血混じりの嘔吐
- 吐けそうで吐けない、えづき
上記のような症状が認められた場合には、病院に連れていき適切な処置をしてもらうことが重要です。
飼い主さんは、普段から愛犬の状態をしっかりと観察し、嘔吐などの異変にすぐに気づけるようになりましょう。